崖の上、工場の屋上、道路の真ん中…信じられないところに建つ16軒の家

ギリシャのメテオラ修道院群の眼下には街が広がる。

ギリシャのメテオラ修道院群の眼下には街が広がる。

Shutterstock

  • 最果ての孤島や、近づくことさえ不可能に見える山頂など、世界各地の驚くべき場所にも、住居は存在する。
  • 渓谷の岩肌に張り付くように建てられたブータンの僧院で暮らす僧侶の中には、何年も下に降りない者もいる。
  • 中国のショッピングモールでは、屋上に建てられた住居を従業員の寮にしているところがある。

誰しも何らかの形の隠れ家が必要だ。そして、すべての人が都会的なライフスタイル、あるいは都市近郊での暮らしに満足しているわけではなく、できる限り他人から離れて暮らしたいという人もいるだろう。極端なケースになると、誰も住んだことのないような場所で暮らしたいという人もいる。

セルビアのバイナ・バシュタ近郊を流れるドリナ川。その中央にある岩の上に50年前から家が建っている

岩の上でうまくバランスを取る家。

岩の上でうまくバランスを取る家。

Marko Djurica/Reuters

この岩の上に最初に家が建てられたのは1968年だが、川の増水により何度も破壊され、そのたびに再建されてきた。

アメリカとカナダの国境を流れるセントローレンス川には「千の島(Thousand Islands)」と呼ばれる島々が点在している。そのうちの1つは「ちょうど一部屋分の島(Just Room Enough Island)」として知られている

これも隣人から逃れる方法の一つだ。

これも隣人から逃れる方法の一つだ。

Barker Jarvis/Shutterstock

家族専用のビーチまである。

ポーランドのワルシャワには、2棟のビルに挟まれるように建つ「ケレットハウス」という極小住宅がある

ケレットハウスを撮影する通行人。

ケレットハウスを撮影する通行人。

Kacper Pempel/Reuters

建物の幅は、最も広いところでも約90センチメートル。

オパール鉱山の町、オーストラリアのクーバーペディでは、摂氏49度の焼けつくような暑さから逃れるために、住民の80%が地下で暮らしている

地下住居の様子。

地下住居の様子。

Mark Kolbe/Getty Images

100年以上前から人々は地下で暮らしている。

イングランド北部では、古くからツリーハウスが抗議の意味で用いられてきた。スタントン・リーズの住民は4年以上にわたり、青銅器時代のストーンサークルがあるナインレディースが砂岩の採石場となることに抗議している

イングランド、スタントンリーにあるツリーハウス。

イングランド、スタントンリーにあるツリーハウス。

REUTERS/Kieran Doherty

住民はツリーハウスに住んで抗議の意を表した。

ソフトウェア開発者のジョエル・アレン(Joel Allen)は、26歳の時にカナダのウィスラーで、自分好みのツリーハウスを造った。そのデザインはとても洗練されている

アレンのツリーハウス。

ジョエル・アレンのツリーハウス。

Joel Allen

周りの風景に完璧になじんでいる。

2011年、中国の広東省にある工場の屋上に、2軒の住宅が建てられた

うまくバランスが取れていないように見える。

うまくバランスが取れていないように見える。

Reuters

中国メディアによると、完成した住宅は計画上のサイズを超え、違法建築となった。

2013年、中国の湖南省衡陽市のショッピングモールの屋上に、25軒の豪邸が違法に建設された

屋上の豪邸。

屋上の豪邸。

Reuters

その後、これらの住宅は、ショッピングモール従業員の寮として使われるようになった。

17世紀に建てられたタクツァン僧院は、ブータンのパロ渓谷の岩肌に張り付くように佇んでいる

タクツァン僧院は、聖地とされている。

タクツァン僧院は、聖地とされている。

Traveller. P/Shutterstock

ブータン独特の仏教を信仰する僧侶たちは、何年もの間この僧院で過ごし、その間は決して下界に降りることはない。

ギリシャのメテオラ修道院はさらに隔絶されており、柱のような形の砂岩の頂上に建っている

メテオラからは町の眺めが眼下に広がる。

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メテオラ修道院は、ユネスコ世界遺産に登録された。

何百年も前から、人は最果ての地を探してきた。およそ300年前、アイスランドのエリデイ島には、ツノメドリを狩る5世帯の家族が暮らしていた

エリデイ島の切り立った崖。

エリデイ島の切り立った崖。

Chulanga/Shutterstock

島は隔絶された場所ではないとでも言うかのように、住居の周りはフェンスで囲まれている。

ニュージーランドに建設された、この「スカイスフィア」のように、自分だけの聖域を造りたいと考える人もいる

スカイスフィア

スカイスフィア

Courtesy of Jono Williams

エンジニアのジョノ・ウィリアムズ(Jono Williams)が建てた住居には、アプリでコントロール可能な照明、音声で操作するビールサーバーが備わっている。さらに「ゾンビ・モード」にすると外部から何者も侵入できないよう建物自体を封鎖することもできる。

スコットランドのハイランド地方にそびえる山、ブアチャイル・エティブ・モー(Buachaille Etive Mòr)の周辺で見られる唯一の建築物が、このラガンガルブ(Lagangarbh)の小屋だ

ラガンガルブの小屋

ラガンガルブの小屋

Arterra/Universal Images Group via Getty Images

かつて小作農が暮らしていたこの小屋は、現在ではスコットランドのナショナルトラストが所有している。訪問者は年間を通してここに滞在できる

ノルウェー沖の島のホテル「Fordypningsrommet Fleinvær」の部屋からは、すばらしいオーロラを眺めることができる

北極の隠れ家

北極の隠れ家

Courtesy Dave Cornthwaite

この建物は「Arctic Hideaway(北極の隠れ家)」とも呼ばれるホテルの一室となっている。島に行くにはボートをチャーターするか、フェリーに乗らなくてはならず、島内には車もなければレストランもない。

周辺環境の変化により、信じられない状況に陥った住居もある。中国では、住居の所有者が立ち退きを拒否したまま土地開発が進むと、写真のような状況となり、「釘子戸(ネイルハウス:釘のような家)」と呼ばれる

釘子戸(ネイルハウス)

China Stringer Network/Reuters

この家は建設中の道路の真ん中に取り残されてしまった。

トルコでも、家が取り壊されないよう住人が戦った結果、「孤独な家」が取り残された

孤独な家

Murad Sezer/Reuters

結局、住人は立ち退くことになってしまった。

編集部より:初出時、<ノルウェー沖の島「Fordypningsrommet Fleinvær」に建つ小さな家>としておりましたが<ノルウェー沖の島のホテル「Fordypningsrommet Fleinvær」の部屋>の誤りです。お詫びして訂正いたします。 2020年3月9日 18:30

[原文:16 houses built in seemingly impossible locations

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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