大塚家具“安定財務”は4年で“穴の空いたバケツ”に。キャッシュの動きで読み解く波乱の経営ドラマ

前回までで、企業の安全性を測るものさしとして「自己資本比率」「流動比率」「当座比率」という3つの指標を見てきました。その結果分かったことは、大きく次の2つでした。

  1. メルカリも大塚家具も、自己資本比率と流動比率はどちらも悪くない
  2. 大塚家具は流動資産の換金性が低く、当座比率は100%を下回っている

大塚家具は事業が立ち行かなくなり、2019年12月にヤマダ電機の傘下に入ることが発表されました。「赤字続き」という点ではメルカリも同様なのに、いったいどこに違いがあるのでしょうか?

その謎は、「キャッシュ(現金)の流れ」を見れば解くことができます。そこで今回は、大塚家具のキャッシュの流れを時系列で追いかけながら、同社の経営がどのようにして苦境に陥っていったのかを見ていくことにしましょう。

「利益」と「キャッシュ」は別物

大塚家具の財務状況がいかにして低迷していったのか、その謎を解くための“切り札”となるのが「キャッシュフロー計算書(C/S:Cash flow Statement)」と呼ばれるものです。

C/Sは文字通り、現金(キャッシュ)の流れ(フロー)を示したもの。本連載でこれまでに登場してきた貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)にこのC/Sを加えて、「財務三表」と呼ばれます。

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