Reuters
- アマゾンは、秘密プロジェクトで風邪の治療法の開発に取り組んでいるとCNBCが報じた。
- このプロジェクトは、グーグルの研究開発グループのリーダーだったバラク・パラビスが率いるアマゾンの「グランドチャレンジ」の一部だ。
- 風邪を引き起こすウイルスに対する治療法を開発することは長い間不可能であると考えられていたが、最近では、例えばスタンフォード大学の研究者が治療に前進したと報告している。
アマゾン(Amazon)は「プロジェクトGesundheit」(Gesundheitはドイツ語で「健康」)として知られる「何年にもわたる」極秘プロジェクトの一つとして、風邪の治療に取り組んでいるとCNBCが報じた。
レポートでは、プロジェクトに参加している100人以上の科学者や技術者の中から、3人の人物を取り上げた。報道によると、彼らはアマゾンの「グランド・チャレンジ」研究開発グループの一員であるとされているが、アマゾンはこれを公に認めてはいない。
CNBCによると、「1492」というコード名でも呼ばれるこのグループは、以前グーグルの親会社アルファベットの研究開発グループGoogle Xのリーダーだったバラク・パラビス(Babak Parviz)が率いている。
3月6日のレポートによると、このグループはヘルスケア分野が主要な研究テーマではあるが、医療プロジェクトに集中しているわけではない。 2018年には、CNBCは癌治療と診断技術の研究に取り組んでいると報告していた。
科学雑誌サイエンティフィック・アメリカンによると、風邪の原因となるライノウイルスは160種類も知られており、風邪の治療は不可能だと考えられている。
普通の風邪は1週間から2週間以内に症状が治まるので、風邪の治療法を見つけることの実用性に加えて、治療薬は副作用がほぼゼロでなければならないと指摘する人もいる。ベンチャーキャピタリストのマイク・ペリーニ(Mike Pellini)はCNBCの取材に対し、副作用の方がウイルスそのものよりも深刻になる可能性があると述べた。
風邪を治す試みはアマゾン(Amazon)が初めてではない。サイエンティフィック・アメリカンによると、ライノウイルスが初めて発見された1950年頃から、科学者たちは治療法の研究を始めている。最近では、2019年にスタンフォード大学の科学者たちが、風邪の治療法の開発に向けて前進したと報告した。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、アメリカでは毎年たくさんの人が風邪をひいており、ほとんどの成人が年に2、3回風邪をひいている。ペリーニは、医療保険会社がそのような治療の費用を負担したがらないかもしれないと述べた。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)