大企業のおよそ3分の2がアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)への投資増を計画している。
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IT投資を検討する際、過半数はアマゾンとマイクロソフトのクラウドサービスやプロダクトを選ぶ。同時に、およそ3社に1社はオラクルやIBM、VMwareのサービス利用を減らすと回答している。
ソフトウエア会社フレクセラ(Flexera)のレポートによると、昨今、企業はより新しいクラウドサービスやソフトウエアを選ぶ傾向がある。
フレクセラは、従業員2000人以上の企業・組織に属する300人以上を対象に調査を行い、どんなITベンダーへの予算投下を計画しているかを聞いた(複数回答可)。
最も多かった回答は、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)で65%を占めた。マイクロソフト(56%)、サービスナウ(48%)、セールスフォース(48%)、グーグル(39%)が続いた。
企業が投資先として考えているのは、ほとんどがクラウド企業あるいはクラウドベースのサービスプロバイダだ。マイクロソフトは例外で、オンプレミス(=自社内でシステムを構築・運用すること)向けのプロダクトが多い。
プライベートデータセンターをベースにしたIT投資は終えんを迎えている。
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一方、回答者の30%はオラクルへの予算投下を減らすと答え、IBM(25%)、VMware(22%)もこれから出費を減らすほうのサービスに名を連ねた。いずれもこれまでオンプレミスのデータセンター向けのプロダクトやサービスを提供してきた企業だ。
とはいえ、3社ともいまや積極的にクラウド戦略を推し進めている。
例えば、IBMは2019年7月にレッドハットを340億ドル(約3兆8000億円)で買収。クラウド環境でもオンプレミス環境でもアプリケーションを稼働できるハイブリッド・クラウド戦略を加速している。
IBMと同様、オラクルもクラウド事業を展開。
また、VMwareはAWSと戦略的提携を結び、さらにピボタル・ソフトウエア(Pivotal Software)とヘプティオ(Heptio)を買収。クラウドネイティブなシステム開発を加速するオープンソース・ソフトウエア「クーベネティス(Kubernetes)」へのフォーカスを進めている。
(翻訳・編集:川村力)