メリーランド州シルバースプリングのアメリカ食品医薬品局本部。
Reuters
- アメリカ食品医薬品局と連邦取引委員会は3月9日、コロナウイルスの予防または治療を不正に主張する製品を販売したことについて、7社に警告状を発行した。
- 連邦取引委員会のジョー・サイモンズ委員長は声明の中で、「この種の詐欺を続けている企業に対して執行措置を講じる用意がある」と述べた。
アメリカ食品医薬品局(FDA)と連邦取引委員会(FTC)は、コロナウイルスを予防または治療するという虚偽の主張をする詐欺的製品の販売を防ぐために市場に介入している。
FDAのプレスリリースによると、「健康に重大なリスクをもたらし、連邦法に違反する未承認薬」を販売する7社に書簡を送った。 具体的には、コロナウイルスに対抗できると偽って販売されている茶、エッセンシャルオイル、チンキ、コロイド銀などの販売会社が挙げられている。
「Vital Silver」「Quinessence Aromatherapy」「Xephyr(N-Ergeticsという名前で販売)」「GuruNanda」「Vivify Holistic Clinic」「Herbal Amy LLC」「The Jim Bakker Show」の各社は、FDAとFTCに48時間以内に回答し、違反を緩和する計画を立てなけばいけない。
FTCのジョー・サイモンズ(Joe Simons)委員長は声明の中で、「この種の詐欺を続けている企業に対して執行措置を講じる用意がある」と述べた。
「コロナウイルス感染の拡大について、人々の間にすでにかなりの不安がある」とサイモンズ委員長は声明の中で述べている。
「このような状況で、感染防止や治療ができると偽った製品を宣伝して消費者を食い物にしている企業は必要ない」
この警告は、消費者ブランド協会(Consumer Brands Association)がウィリアム・バー(William Barr)司法長官に書簡を送り、消毒剤やマスクなどの価格のつり上げを取り締まるよう要請したのと同じ日に出された。アマゾンではピュレル社の手の消毒剤が100ドル以上で売れたという事例がいくつかあった。
不正な商品がさらに増える可能性については、FDAはこうした偽治療薬の販売を防ぐため、市場を徹底的に監視していると述べた。
「不正なCOVID-19関連製品の販売と販売促進は、公衆衛生に対する脅威であると考えている」とFDA局長のスティーブン・M・ハーン(Stephen M.Hahn)は声明で述べた。
「我々は積極的な監視プログラムを実行している。特に今回のような重大な公衆衛生問題が起こっているときは、詐欺製品のオンライン情報を監視している」
さらにFDAとFTCは、現時点ではこのウイルスに対して承認されたワクチンや治療薬は存在しないと繰り返し述べ、そのように主張するいかなる製品も避けるように消費者に警告した。
FDAはプレスリリースで、「疾病を治療したり、緩和したり、診断したり、予防したりできる主張するが、安全性及び有効性が証明されていない製品は、消費者から金銭をだまし取り、消費者を重大な害の危険にさらす恐れがあるものだ」と述べた。
「これらの製品を使用すると、COVID-19やその他の重篤な疾患や病態の適切な診断や治療の遅れにつながる可能性がある」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)