2020年2月1日、パリ。
Gonzalo Fuentes/Reuters
- フランスでは、中国大使館が現地の中国人に対し、公共の場でマスクを着用していた複数の学生が被害にあっていると警告を発した。
- 大使館の警告文によると、警察官に扮した人間が、顔を覆うのはフランスの法律に違反しているとして、マスクをしていた学生から150ユーロ(約1万8000円)をゆすり取ったという。
- フランスには確かにこうした法律がある。だが、それはイスラム教徒の女性が着用するブルカやバラクラバ帽(防寒用の目出し帽)が対象で、マスクは含まれない。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、在フランス中国大使館によると、現地の中国人がマスクの着用を理由に、被害にあっているという。
在フランス中国大使館は3月7日、現地の中国人に対し、用心するよう警告を発した。その警告文によると、複数の中国人学生が偽の警察官に呼び止められ、公の場でマスクを着用するのはフランスの法律に違反しているとして、罰金150ユーロを取られたとソーシャルメディアに投稿しているという。
フランスには確かにこうした法律がある。だが、それはブルカやバラクラバ帽が対象で、マスクは含まれない。実際、フランスの連帯・保健省は、体調が悪い時、人込みに行く時にはマスクをつけるよう推奨している。
2020年3月2日、会議に出席するフランスのマクロン大統領(右)とヴェラン連帯・保健大臣(左)。
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在フランス中国大使館は他にも、感染症対策の政府職員をかたって現地の中国人の自宅に入り、強盗を働こうとする人間が目撃されているとしている。
「在フランス中国大使館は、フランスにいる中国人に対し、安全と警戒、そして警察官や政府職員をかたった詐欺や強盗といった違法行為に対する用心の意識を高めるよう求めます。緊急の場合はすぐに警察または在フランス中国大使館もしくは領事館に電話をし、支援を求めてください」と警告文には書かれている。
ジョンズ・ホプキンズ大学によると、3月11日現在、フランスでは新型コロナウイルスに1784人が感染、33人が死亡している。
(翻訳、編集:山口佳美)