新規事業をスピーディに始める秘訣——「CHINTAI」のケースに学ぶ

パーティーの乾杯シーン

shutterstock/Jacob Lund

Webや雑誌で賃貸物件の情報を提供しているCHINTAIは、近年エンターテイメント情報の発信にも注力してきた。CHINTAIが運営する「PARTY CHANNEL(パーティーチャンネル)」では、2017年から日本のパーティーカルチャーを盛り上げるべくナイトクラブやフェスに関する情報を公開。国内ではまだあまり整っていないパーティーカルチャーの貴重な情報発信地となっている。

不動産賃貸情報を取り扱ってきた同社がなぜパーティーカルチャーの発信を始め、「畑違い」に見える分野にどのように参入していったのか。パーティーチャンネル開設に携わったCHINTAI取締役の溝呂木聰さんと、エンターテインメントグループの山崎善紀さんに聞いた。

CHINTAIが「ナイトライフ」に進出した理由

ソファに腰掛けるCHINTAIの山崎善紀さんと溝呂木聰さん

CHINTAI エンターテインメントグループの山崎善紀さん(左)と同社取締役の溝呂木聰さん(右)。

CHINTAIの本業である不動産賃貸情報からは、異分野に見えるナイトライフ情報。だが溝呂木さんは「実は本来の事業からさほどかけ離れているわけではない」と話す。

「CHINTAIは、お部屋探しのほかにも暮らしを豊かにする情報をお届けしたいと考えています。その中の1つがパーティー情報でした」

コンテンツとしてパーティー情報を選択したのは、クラブ好きの社員が「ぜひ始めたい」と手を挙げたからだ。

「欧米諸国で広まったパーティー文化は近年日本に入ってきたものの、まだあまり情報が整備されていません。しかしこの後伸びていく分野であると予想されたため、新規ビジネスとしてちょうど良いジャンルだと考えました」(溝呂木さん)

「クラブイベントなど、日本のナイトライフは発展途上の段階ですが、国外の方や訪日観光客に向けた情報はまだほとんど発信されていません。そこでパーティーチャンネルでは日本語だけではなく記事を翻訳して英語でも展開することにしました」(山崎さん)

未経験のジャンル開拓には「助っ人」の力が必要

壁によりかかり腕を組む頼りげのありそうな女性

shutterstock/El Nariz

パーティーチャンネルは現在5名の社員で運営している。企画・編集、ディレクションなどは部署内でまかなえたという。

「しかし英訳記事を作成するためには助っ人の力が必要でした。でも、部内には英訳記事を作れるほどの言語スキルを持つ社員はいなかったんです」(山崎さん)

パーティー情報を翻訳するには、学校で習うような英訳ができるだけでは不十分だ。「アガる」「ハマる」「ヤバイ」といった言葉をユーザーの気持ちが盛り上がるように表現し直さなければならない。

「さらにパーティーチャンネルは軌道に乗るかどうかわからない新しい事業であったため、わざわざスキルを持った人を採用したり別の事業から連れてきたりすることは経営上適切ではありませんでした」(溝呂木さん)

そこでとった方策が外部に助っ人を求めること。豊富な人材を抱える企業などから専門スキルを持った人の力を借りられれば、質の高いコンテンツを、より効率よく作り出すことができるからだ。

翻訳会社よりもスキルを持った個人を頼った理由

会議室で話し合う山崎善紀さんと溝呂木聰さん

山崎さんたちはさっそくニーズに答えてくれそうな業者に問い合わせた。多くの翻訳者を抱える翻訳会社にもあたってみたが、最終的には「ランサーズ」を通して翻訳を発注することにした。

「人材を選ぶときに最も柔軟な対応をしてくれたのがランサーズさんだったんです。パーティーチャンネルの趣旨を理解したうえで、業務にぴったりな人を紹介してくれました」(山崎さん)

前述の通り、ナイトライフ情報の発信には独特の言い回しやニュアンスの調整が必要となる。SNSの運用も不可欠であったため、メディアの特性を踏まえた文言も考えてもらわなくてはならない。ランサーズは、その点のすり合わせを委託先としっかり行えるよう、業務発注前にオンライン会議を素早く設定してくれた。

「さらにアフターケアが手厚く、納品後の調整にも丁寧にご対応いただきました。また逐一反応が速いこともとても助かりました。業者によっては納品後の相談に応じてくれないところもあるなかで、とても誠実な印象でした」(山崎さん)

パーティー情報はナマモノだ。上がってきた情報は鮮度が高いうちに公開しなければならない。ランサーズの対応の速さや質に対する責任感の強さは、パーティーチャンネルを運営していくうえで心強い支えとなった。

正解がない世界ではチャレンジを続けるしかない

インタビューに応じる山崎善紀さん

助っ人頼みで制作が始まったパーティーチャンネルの英訳記事だが、肝心の質についてはどう評価されているのか。

「今のところクリティカルな問題は発生していません。ただ、ニュアンスについては難しいところがありますね。表現には正解がありませんから、細かい表現方法についてはこれからも調整が続くと思います」(山崎さん)

担当の翻訳者の丁寧な仕事ぶりや発注のしやすさには満足しているという山崎さん。何より、助っ人の力があったおかげで社内だけではできなかった仕事ができるようになった点に非常に意義を感じているようだ。

「パーティーチャンネルは今後も拡大させていきたいと考えています。直近ですと、新型コロナウイルスの影響によるオンラインサービスの需要の高まりに伴いライブ配信コンテンツの展開やオンラインパーティーの企画/制作なども視野に入れているため、それにはいろいろな人の力を借りることが必要になるでしょう。私たちがやりたいこと、やれること、社内ではやれないけれど外部のリソースを頼ればできることを考え、ランサーズさんには必要なスキルやマンパワーを補う役割を期待しています」(溝呂木さん)

アーティストやイベント主催者へのインタビュー記事、DJライブ動画の配信、さまざまなイベントのチケット販売、イベント検索プラットフォームの展開、ファッション、海外のフェスやイベントレポート……。社内外の協力を得ながら、今後もメディアを充実させていく考えだ。

外部のリソース活用で仕事は効率よく、面白くなる

インタビューに応じる溝呂木聰さん

CHINTAIが手がける意外な事業は、パーティーチャンネルだけではない。同社には時流や社員の興味に合わせて新しい事業を始める企業文化がある。

しかし、CHINTAIの従業員数は160名ほど。新しい事業を始めようと思っても、人材リソースの確保は容易ではない。

「そんなときに外部のリソースを活用できればこれからもどんどん面白いことを始められると思います」(溝呂木さん)

社会が急速に変化する今、企業がいつまでも同じ事業だけを続けていくことは難しくなっている。しかし新しいチャレンジにはリスクがつきまとううえ、資本の投入も必要となる。その点、スキルを持った人材に適宜頼ることができればローコストで事業を始められ、リスクを下げられる。そうしてチャレンジしやすい環境を整えれば、社会はもっと面白く変化していくはずだ。 社内の人材にこだわらず、柔軟な体制でスモールスタートをするCHINTAIの取り組みは、企業と社員のチャレンジ精神を生かすためのヒントになりそうだ。


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