コミックマーケット準備会は3月15日、5月の「コミックマーケット98」開催に関するコメントを公表した。
撮影:小林優多郎
日本最大級の同人誌即売会を運営するコミックマーケット準備会は3月15日、5月2日〜5日に予定している「コミックマーケット98」の開催見通しについて公表した。同準備会が新型コロナウイルスに関して言及するのはこれが初めて。
「開催に向けて準備」も「中止または延期」の可能性を示唆
3月15日に公開された「コミックマーケット98の開催見通しについて」。
出典:コミックマーケット
15日付けで公開されたウェブページには「開催に向けて準備を進めている」とする一方で、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から「今後の動向その他や、新たな関係各方面の指示・要請等により、中止または延期を含め、通常と同様に開催できないという判断をせざるを得ない可能性があります」とアナウンスしている。
準備会としては「大変流動的な状況」として見ており、今後の方針・対応についてはコミックマーケット公式ウェブサイトで発表していくとしている。
多くの周辺ビジネスに影響
夏のコミックマーケット時の開催の様子(2016年8月撮影)。
撮影:小林優多郎
コミケは原則、同人誌などを頒布するための権利を抽選で得る必要があり、コミックマーケット98については3月11日にその当落が公表されていた。その際、準備会からのアナウンスはとくになく、開催を危ぶむ声や参加を辞退する声が上がっていた。
今回発表された声明を読む限り、現段階では「あくまで開催が前提」という方針自体は大きく変わりはない。
コミックマーケットは年2回開催され、出展者や一般参加者、運営はもちろん、印刷所やグッズなどの制作をする中小企業、宿泊施設や交通、会場周辺の店など多くの周辺ビジネスに影響するイベントだ。今後の準備会の発信は注視しておきたい。
(文、撮影・小林優多郎)