新型コロナウイルスによる一斉休校は、2020年の世界のGDPの1.5%を消し去る可能性がある —— 最新レポート

空き教室

2020年3月2日、大阪。

Getty Images

  • 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、世界中の学校の休校を招いている。
  • キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)の3月13日のレポートによると、仕事を持つ親たちが子どもの世話をするために休みを取ったり、仕事を減らす必要に迫られることで、2020年(通年)の世界のGDPは最大1.5%減る可能性があるという。
  • こうした経済に及ぼす潜在的な影響は、親の在宅勤務、学校以外の育児の場へのアクセスの確保、休暇の取得によって緩和することができると、レポートは指摘している。

新型コロナウイルスが世界的に大流行する中、世界各地で感染拡大を防ぐために学校が休校になっている。だが、ある調査会社によると、休校の決断は世界経済に負の影響を及ぼす可能性がある。

イギリスの調査会社キャピタル・エコノミストの3月13日のレポートによると、中国やイランを含め、これまでに29カ国が国内の学校を一斉休校としている。加えて、20カ国以上で自治体レベルでの休校措置が取られていて、ウイルスの感染拡大に伴って、この数字はさらに増えるだろうと、レポートは指摘している。

「その最も重要な経済的影響は、自分たちの子どもの世話をするために親が仕事を休むことによるアウトプットの減少だろう」とキャピタル・エコノミクスは書いている。

レポートによると、その影響は特に両親が仕事を持っている国で顕著になりそうだ。労働市場のデータは、アメリカ、イギリス、ユーロ圏の労働人口の15~20%が、休校になれば自分たちの子どもの世話をするために休みを取る必要に迫られるであろうことを示しているという。

休校措置が4週間続いて、労働人口の5分の1が休みとなれば、世界のGDPは1~3月期で6%、通年で1.5%減る可能性があると、キャピタル・エコノミクスは見ている。

ただ、同社はこの数字が大きぎるかもしれないと認めている。学校以外での育児の場にアクセスがある家庭はそれほど仕事を減らさずに済むかもしれないし、親が在宅勤務や時短勤務を利用したり、欠勤した日を休暇扱いとすることも可能だろうと、レポートは書いている。加えて、仕事を休まなければならない親の分を子どもを持たない同僚が穴埋めすることも可能だろうとしている。

これら全てが世界のGDPに与える影響を和らげ、1~3月期で2.5%、通年で0.6%の減少にとどまる可能性があるという。

「とはいえ、学校の休校措置が及ぼす潜在的な影響は大きく、これが多くの国の経済見通しをわたしたちが下方修正している理由の1つだ」とキャピタル・エコノミクスは書いている。同社はすでに世界のGDP成長率の見通しを2.9%から2%に引き下げているが、今では1.5%となる可能性が高いとしている。

グラフ

大人が全員仕事をしている、子どものいる家庭の割合(2018年)。

Capital Economics

[原文:Coronavirus-related school closures could erase 1.5% from GDP this year, new report says

(翻訳、編集:山口佳美)

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