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「1GBで月額450円」IIJがeSIMで狙う“副回線戦略”。月末の「ギガ足りない」需要狙う

IIJmio eSIMパッケージ

IIJが発表した「eSIM データプラン ゼロ」は、“eSIM時代”の幕開けを象徴する存在になるか。

撮影:小林優多郎

インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は3月17日に、物理的なSIMカードがなくても対応端末で通信ができるようになる「eSIM」の本格サービス「IIJmio eSIMサービス データプラン ゼロ」を発表した。

データプランゼロは、3月19日からスタートし、基本料金は月額150円(税抜)、初期費用は3000円。データ専用サービスとなり、音声回線通話やSMSには非対応となる。

一般的な“物理SIM”より手軽に使い始められるeSIM

eSIM表示

iPhoneにIIJmioのeSIMをインストールしたところ。キャリア表記がNTTドコモではなく、IIJとなっているのがわかる。

撮影:小林優多郎

おさらいになるが、eSIMは、その名のとおり電子的なSIMカードだ。アプリ経由や専用QRコードを対応スマホで読み込むことで(今回、IIJmioはQRコードのみ提供)、契約情報をスマホ内に保存。すぐに通信を開始できる。

従来の物理SIMでは抜き差しの手間や、物理SIMの在庫や配送時期などタイムラグがあったが、eSIMであれば、使おうと思った時にいつでも契約して使えるようになる。

IIJサイト QRコード

契約作業はオンラインで完結。完了すれば、すぐにインストール用のQRコードが表示される。

撮影:小林優多郎

IIJは、2019年7月18日からベータ版として月6GBのeSIMプラン(月額1520円税抜)を提供してきたが、2020年2月末までの「インストール数」は約1.4万回。申込者のうち74%が新規ユーザーだったこともあり、同社としては「想定以上のニーズがあった」と判断。今回の本格サービスの提供に至った。

最低月額450円で“副回線ニーズ”を狙う

IIJmio eSIMサービス データプラン ゼロ

「IIJmio eSIMサービス データプラン ゼロ」のプラン概要。

撮影:小林優多郎

データプランゼロのプランとしてのスペックを見てみると、月額150円はいわゆる維持費であり、利用可能なデータ容量は付属しない。

データ利用するには、手動でデータ容量(クーポン)を購入する必要がある。初回1GBは300円、2回目以降は1GBあたり450円の追加料金が発生する。

つまり、データを利用した月は最低でも450円以上、データを全く利用しない月は150円で契約を維持できるSIMとなっている。

eSIM in Pixel 4

NTTドコモの物理SIMを挿しているグーグルの「Pixel 4」にIIJmioのeSIMをインストールしたところ。音声・SMSはNTTドコモのまま、データは安いIIJmioを使うといったことができる。

撮影:小林優多郎

このようなプラン内容になった理由も、前述のベータ版からのフィードバックである「月6GBもいらない」「もっと安くしてほしい」という声が大きく影響している。

ベータ版eSIMプランもそうだが、今回のプランもNTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどの主要キャリアを主回線として契約している人が、追加のデータ容量が欲しいと感じたときなどに利用する“副回線”として利用を主に想定している。

ビックカメラの「SIMフリーiPhone」とセットで認知拡大へ

eSIM対応端末

とはいえ、日本でeSIMが使える端末はそう多くない。

撮影:小林優多郎

とはいえ、誰もがこのeSIMサービスの利便性を享受できるわけではない。使うには、対応端末である必要があるからだ。

市場にあるスマートフォン、タブレット、PCの中でeSIM対応端末は、まだ少数派だ。IIJも今回のeSIMサービスの動作確認済み機器を公開しているが、3月17日時点の内訳はiPhone XSやiPhone11、Pixel 4などのスマホ8機種、11インチiPad ProなどのiPad5機種、Surface Pro XなどのWindows PC4機種の計17機種に留まる(さらに、それぞれの機種でSIMフリー版もしくはSIMロックが解除されている必要がある)。

ビックカメラ パッケージ

ビックカメラやコジマ、ソフマップでは「パッケージ版eSIM」を販売。初期費用分の3000円をパッケージ代として支払い、中のシリアルコードをIIJmioのサイトで入力することで契約が完了する。

撮影:小林優多郎

IIJはデータプランゼロについて具体的な契約目標などを公表していないが、MVNO事業部長を務める矢吹重雄氏は「10万、20万と増やして行きたい」としている。

2013年からパートナー関係にあるビックカメラグループとの提携を強固にすることで、店頭でもSIMフリーiPhoneとともに、パッケージとしてユーザーへの認知拡大・販売を図る方針だ。

法人向けについては、「対応端末の種類の面で法人向けビジネスは現状では厳しく、最初は主にコンシューマー向けの取り組みになる」(矢吹氏)と話した。

(文、撮影・小林優多郎)

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