ワクチンができるまでは現在の対策を続けるべき…米英首脳の対策を激変させた研究報告が指摘

ワクチンができるまでは自宅で働き、集会を控えるべき…専門家が指摘

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イギリスのボリス・ジョンソン首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領が新型コロナウイルスへの思い切った対策を講じるきっかけとなったこの報告書は、社会的な距離を置き、隔離する取り組みが2021年も続くかもしれないことを示唆している。

インペリアル・カレッジ・ロンドンのCOVID-19対策チームの報告書によると、感染が確認された患者をすべて隔離し、さらなる感染拡大を防ぐために市民が集まることを禁止すれば、ウイルスによる死亡者数は半減する可能性がある。

しかし、このレポートを執筆した30人の研究者は、これらの対策は、感染症の第二波を防ぐために、ワクチンが開発されるまで継続される必要があると述べた。専門家によると、ワクチンの開発には18カ月以上かかる場合がある。

この報告書によると、「拡大抑制の主な課題は、この種の集中的な対策はワクチンが利用可能になるまで(実際には18カ月以上)維持する必要がある」ことだという。

例えば、公共交通機関のルート変更、病棟の隔離、可能な限り多くの患者を追跡するための技術の使用など、中国が行ったウイルス抑制のための極端な対策は、短期間で効果があったが、長期的にどのような結果になるかは不明だ。同報告書によると「長期的にはどうか、また、これまでに行使された対策の社会的・経済的コストを削減できるかどうかは、まだわからない」という。

世界のリーダーは、この報告書に対応して戦略を劇的に変えた

この報告書が3月16日に発表された後、イギリスとアメリカの政府は突然、コロナウイルスに対するアプローチを変更した。

イギリスのボリス・ジョンソン首相はその日、報告書が既存の戦略では最大25万人の死者が出る可能性があると指摘したのを受けて、より厳しい封じ込め政策を実施すると発表した。アメリカでは、トランプ大統領が、レストランやバー、不必要な旅行や公共の場への外出を避け、集会を10人以下に制限することを推奨した

[原文:People may need to work from home and limit socializing for more than a year until a coronavirus vaccine is available, researchers say

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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