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高輪ゲートウェイ駅に出現、常設「駅ナカ無人コンビニ」の全貌…都内初。さながら日本版Amazon GO

TOUCH TO GO

3月23日にオープン予定となっている無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」。営業時間は午前6時から翌日午前0時。

撮影:平澤寿康

2020年3月14日に暫定開業となった、山手線と京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」。その駅の2階改札内に3月23日、都内初の常設による駅ナカ無人コンビニ「TOUCH TO GO」がオープンする。

TOUCH TO GO 売り場

売り場面積は約60平方メートルで、お菓子や弁当、各種ドリンク類、雑貨など約600種類の商品を扱う。

撮影:平澤寿康

TOUCH TO GOは、ウォークスルー型の無人店舗だ。扱う商品は、食料品や飲料品、雑貨など約600種類で、売り場面積は約60平方メートル。JR東日本の駅構内に設置されている売店「キヨスク」や、小型のコンビニ「NewDays」に近い位置付けの店舗だ。

23日のオープンに先立ち、実店舗を取材できた。商品購入の流れと開発・運営会社の今後の戦略を聞いた。

「商品を手に取るだけ」のレジなし店舗

出入り口

店舗の出入口は1カ所のみとなっている。

撮影:平澤寿康

一方通行

店内の通路は基本的に一方通行。ゲートを開いて、店内に入る仕組みだ。

撮影:平澤寿康

店舗には出入口が1カ所だけ用意されており、入店した客は一歩通行の店内通路を歩きながら商品を手に取り購入を行うことになる。

店内に入ると、左手に入店ゲートが設置されている。入店ゲート前に立つとカメラによって客を認識し、認識完了後にゲートが開いて入店可能となる。

ゲートオープン

客の認識が完了するとゲートが開いて店内へと入れるようになる。

撮影:平澤寿康

入店後は、客は自由に商品を手に取って買い物をする。(Amazon Goのように)手に取ったり、手に取った後に棚に戻した商品は、カメラや各種センサーによって自動的に認識され、「手に取った商品だけ」が客と紐付けられる。商品は手に取った時点で認識されるので、その場で商品をバッグなどに入れても構わない。

購入の様子

店内に入り、購入したい商品を手にすれば、その時点で商品が認識され、手にした人に自動で紐付けられていく。

撮影:平澤寿康

カバンに入れる

商品は手に取った瞬間に認識されるため、その場でバッグなどに入れても構わない。

撮影:平澤寿康

購入商品の決済は、通路を進んだ先にある決済ゾーンで行う。決済ゾーンには2台の決済端末が置かれ、その前に客が立つと購入した商品がタッチ対応ディスプレイに一覧表示されている。

ここで購入した商品と金額を確認し、ディスプレイ手前に置かれている決済端末で決済を行う。決済はキャッシュレス決済を基本としているため、現金での決済はできない。当初はSuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのみ利用可能だが、将来はクレジットカードや交通系電子マネー以外の電子マネーにも順次対応を予定している。

決済ブース

決済ブース前に客が立つと、カメラでその客を認識し、その客が手に取った商品が決済ブースのディスプレイに表示される。

撮影:平澤寿康

ディスプレイ内容

ディスプレイに表示される商品と金額を確認し、支払いボタンをタッチして決済に進む。

撮影:平澤寿康

Suicaで決済

当初はSuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのみ対応だが、今後クレジットカードや他の電子マネーにも順次対応する予定。

撮影:平澤寿康

決済が完了するとゲートが開き、退店可能となる。

2017年からの実証実験の末、ついに常設化

高輪ゲートウェイ駅

TOUCH TO GOは、3月14日に暫定開業となった「高輪ゲートウェイ駅」の改札内にある。

撮影:平澤寿康

店舗の運営は、JR東日本スタートアップとサインポスト社の合弁会社である、TOUCH TO GO社(以下、TTG)が行う。

TTG社長の阿久津智紀氏によると、今回高輪ゲートウェイ駅でオープンする店舗は常設店舗であり、JR東日本の駅構内はもちろん、誰でも自由に利用可能な形での常設無人AI決済店舗は、都内でもこのTOUCH TO GOが初だろうという。

JR東日本スタートアップとサインポストは、2017年に大宮駅、2018年に赤羽駅で無人AI決済店舗の実証実験を共同で行っており、その実証実験で得られた様々な課題をもとにシステムを強化し、TOUCH TO GO 1号店となる今回の店舗に導入している。

赤羽駅での実験

2018年10月に始まった赤羽駅ホームでの実証実験の様子。店舗の大きさが違う影響もあるのか、このときはゲート自体に決済機能が備わっていた。

撮影:小林優多郎

システム的には大人数の同時入店にも対応可能とのことだが、「現時点では入店客が密着して移動したり、いきなりしゃがむなどして客を見失う場合がある」(阿久津氏)こともあって、当初は同時入店人数を7~10人ほどに制限しつつシステムの精度を高めていき、将来は入店人数の制限をなくして運営したいという。

また、表向きは無人での運営となるが、店舗には商品の品出しやトラブル時の対応を行うスタッフがバックヤードに1名常駐することになる。店舗内のトラブルは決済ゾーンのディスプレイやカメラなどを利用し、コールセンターでも対応する。

システムの外販を検討、常設店はショールーム&実験場

TOUCH TO GO センサー

店内にはカメラや3Dセンサーなどが多数設置されており、それらを利用して客の動きや客が手にした商品を認識する。

撮影:平澤寿康

TTGでは無人AI決済店舗のシステムを外販していく計画だ。

サブスクリプション形式で販売する計画と言い、2020年度内に販売開始を予定。今回の店舗は常設で営業しつつ、システムをアピールするショールームとしても活用するという。

阿久津氏によると、今回と同等規模の店舗を運営する場合、通常は3~4名のスタッフが必要となるところを1名で運営できるため、人件費を大幅に圧縮できるとする。

また、システム導入から遠隔コールセンターでの顧客対応までフルシステムで提供できる点を強みとして、早朝や夜間のスタッフ不足に悩む小売店や、店舗運営が困難な地方売店、ガソリンスタンド併設売店などに売り込みたいとしている。

ゲート

通常の利用であれば、店内でスタッフを見ることはない。

撮影:平澤寿康

TOUCH TO GOは、誰でも訪問できる場所での無人AI決済店舗ということで、当初はさまざまなトラブルや、いたずらも予想される。また、完全キャッシュレス決済という部分でも、慣れない客が戸惑う場面が出てくるはずだ。

ただ、そういった問題はTTGとしても想定済みで、実際の店舗運営の中でノウハウを蓄積し、店舗運営の完成度を高めていきたいとする。

加えて、先に紹介しているように人の動きを認識する精度にまだ課題が残されており、こちらも店舗を運営しつつ問題点を洗い出し、今後24時間365日の営業に耐えられるようシステムを洗練化していく方針だ。

(文、撮影・平澤寿康)

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