急ごしらえのICU、ヘルメットタイプの人工呼吸器…イタリアでのCOVID-19患者治療の実態

ベルガモの病院

3月19日にスカイニュースが放送した、イタリアのベルガモの病院内の映像からの静止画。

Sky News

  • スカイニュースは、イタリアのベルガモの病院で、集中治療室で頭に容器を装着したコロナウイルス感染症の患者の映像を放送した
  • 容器は移動式の人工呼吸器だ。
  • COVID-19(コロナウイルスによって引き起こされる病気)は重篤な肺炎を引き起こす可能性がある。この人工呼吸器は、感染の拡大を防ぎながら、患者が十分な酸素を得ることができる。

イタリア北部の仮設集中治療室で撮影された映像には、頭にプラスチック製の容器を装着したコロナウイルス感染症の重症患者が映っていた。

この映像は3月19日にスカイニュースによって、最悪の状況となった北イタリアの都市、ベルガモの病院内で撮影され、イタリアの医療システムがこの病気に圧倒されている様子を示した。イタリアでは、22日の時点で約6万人の症例と5400人の死者が確認されている。

イタリアの人口は約6000万人だ。このウイルスが発生した中国では、8万人を超える症例が確認され、3265人が死亡しているが、人口は約14億人だ。

間に合わせの集中治療室の映像を見るのが苦痛な人もいるかもしれない。

患者の頭に装着されている丸い容器は人工呼吸器だ。人工呼吸器は、呼吸困難に陥った患者の肺に空気を機械的に送り込むものだ。 生命維持装置と呼ばれることもあり、肺炎の患者によく使われる。

このヘルメットのような容器は、患者の肺に酸素を送り込むだけでなく、感染した患者がウイルスを拡散するのを防ぐのにも役立っている。

普通は、フェイスマスクに人工呼吸器を取り付ける。マスクには、口の中やのどにつながるチューブがある。しかし、2016年のJAMA誌に発表されたシカゴ大学の研究によると、この透明で気密性の高いヘルメットタイプの装置は、重症の呼吸器症状のある患者の負担が少なく、マスクとヘルメットの両方を使った研究では、ヘルメットの患者の生存率の方が高かった。

COVID-19重症患者に人工呼吸器は不可欠

スカイニュースの映像では、防護服を着た医療従事者たちが、混雑した間に合わせの緊急治療室を走り回り、コロナウイルスの感染者の世話をしている。スカイニュースによると、病院の通常の集中治療室が満室だったため、患者はそのスペースに入れられた。

コロナウイルスは重度の呼吸器感染症を引き起こす。このウイルスは肺の内側と肺の底部の肺胞に炎症を起こすことがある。肺胞が機能しなくなると、血液中に十分な量の酸素が送りこまれなくなり、体から十分な量の二酸化炭素が排出されなくなる。

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ベルガモの男性は、肺の酸素レベルを調節するためのプラスチック製の頭部カバーを着用している。

Sky News

重症例では、患者の肺が液体で満たされ、死に至ることもある急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の原因になることもある。武漢大学の最近の研究によると、コロナウイルスに感染して重症化した人の29%がARDSを発症するという。

今年2月に医学誌に掲載された事例によると、COVID-19の重症患者にとって、人工呼吸器は「主要な支持療法」だという。

[原文:Critical coronavirus patients in Italy are being treated with bubble-shaped containers over their heads. Here's what they do.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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