在宅勤務の増加により、コミュニケーションツールの大本命のひとつと注目を浴びるSlack(スラック)。
Drew Angerer/Getty Images
Slack(スラック)は直近の期間(2月1日〜3月18日)に有料ユーザーを新たに7000社獲得した。同社が3月19日、米証券取引等監視委員会(SEC)に提出したカレントレポート(直近報告書)によって明らかになった。
新型コロナウイルス感染拡大により在宅勤務を強いられる人が増えたことで、2カ月に満たない短期間の数字ながら、直前の2四半期を上回る伸びを示した。このレポート提出を受け、Slackの株価は19日に19%上昇している。
同社は2020年1月期の第3四半期(8月1日〜10月31日)と第4四半期(11月1日〜1月31日)にそれぞれ約5000社の有料ユーザーを獲得しているから、両四半期との比較では現時点ですでに4割増という急成長だ。
Slackは3月13日に第4四半期決算を発表。新型コロナウイルスの影響でユーザー数が著しく増加しているものの、無料ユーザーが有料に移行し、収益増につながるか、評価できる段階ではないとしている。同決算資料によると、有料ユーザー数は11万社(前年同期比25%増)。
マイクロソフトのビジネスチャット「Teams(チームズ)」のデイリーアクティブユーザー(DAU)は4400万人とされる。
Screenshot of Microsoft Teams
競合するビジネスチャットのマイクロソフト「Teams(チームズ)」は3月19日、デイリーアクティブユーザー(DAU)が1200万人増え、世界計で4400万人に達したことを明らかにしている。
ただし、Slackのスチュワート・バターフィールド最高経営責任者(CEO)は、Office 365のサブスクリプション契約にTeamsがバンドルされているため、WordやOutlookのような従来からのプロダクトのユーザーもTeamsユーザーとみなされており、誤解を招く説明だとしてマイクロソフトを批判している。
バターフィールドの指摘は要するに、確かにTeamsアプリに「アクセスできる」企業は増えたかもしれないが、社員たちがそれを使っているとは限らず、それに比べると、Slackのユーザー数は実際に使っている人たちというわけだ。
一方、マイクロソフトはバターフィールドの批判に再反論。DAUは、メッセージの送受信、ビデオ会議への参加、Teams上でファイルを開くなど、1日24時間のうちに「意図的なアクション」を行ったユーザーのみをカウントしており、自動的にアプリが起動するとか、ウインドウを最小化したりアプリを閉じるなどの「受動的アクション」のみのユーザーはカウントしていないと強調している。
[原文:Slack added 7,000 new 'paid customers' since the beginning of February, amid the coronavirus panic]
(翻訳・編集:川村力)