「買い占め煽らないで」とスーパーマーケット協会の訴え、生産・物流は止まっていない

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3月26日午前の都内のスーパーマーケット。食品を買い求める人の行列が都内各所で見られた。

撮影:高阪のぞみ

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、小池百合子・東京都知事が週末の外出自粛を求めて会見を開いた3月25日の夜から翌日にかけ、都内のスーパーでは食品を慌てて買い込む人が続出し、レジには行列、陳列棚がガラ空きになる現象が起きている。

テレビ、新聞、ウェブなどのメディアでこうした「買いだめ」が報じられていることを受け、全国スーパーマーケット協会(=スーパーマーケット1250社が加盟、各社の相談窓口および調査・研究を行っている)では「食品の生産、物流は止まっていません。店舗がいきなり閉まるわけではありません。どうかメディアも煽らないで」と、Twitterで声明を発表している。

Business Insider Japanの取材に対し、同協会広報担当者は「トイレットペーパーと同じ現象が今度は食品で起きている。買いだめ報道を見て不安になった方が買いに来て、欠品が相次いでいます。不安は無理もない面もありますが、生産も物流も止まっていない。通常通りの購買行動をとってもらえれば品切れはしません」と話している。

「メディアが煽るようなことは、どうぞお控えください」

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3月25日の東京都知事会見前後から、陳列棚の欠品が。しかし、生産も物流も止まっていない。

撮影:西山里緒

「東京都の会見から買いだめの行列ができて、あらゆるものが欠品しています。週末の行動を抑制するためには強い口調が必要だったのだと思いますが、少しでも買いだめ行動に対する言及もあれば……とも思います。店頭は相当混乱しています」

全国スーパーマーケット協会の広報担当者は、淡々とした口調でそう話す。

3月25日の都知事会見では、小池都知事自らフリップを手に「感染爆発の重大局面と捉えていただきたい」「一人ひとりの行動が社会に影響を与える自覚をもって、難局を皆さまと乗り越えたい」と、訴えた。

これが、新型コロナウイルスへの警戒心を強める一方で、外出を禁止する都市封鎖となる事態も想起させ、食品の買いだめを引き起こした面もあるようだ。

「パスタ、缶詰め、米、あらゆるものが店頭からなくなっているのは事実です。トイレットペーパーや米のような大きなものが陳列棚からなくなればさらに目立つので、それを報道で見た人たちの飢餓感を煽っている面もあるのではないでしょうか」(全国スーパーマーケット協会)

さらに、こうした現象を取材しようと、全国スーパーマーケット協会の電話は朝からメディア関係者からの問い合わせで鳴りっぱなしに。このままではメディアを見た人がまた不安になると考え、Twitterではメディア関係者にも呼びかけたという。

メディアの皆さんから続々電話取材が来ています。「食品の生産、物流は滞ってませんし、店が閉まるわけでもありません。営業は継続されます。店頭の欠品も徐々に回復します。慌てないでください。そしてメディアが煽るようなことは、どうぞお控えください」というようなお話をしています。

Twitterの投稿は5時間で1万4000リツイートと拡散されている。全国スーパーマーケット協会の広報担当者はこう説明する。

「震災時にも店頭から商品が消える欠品が続きましたが、それは物流が止まっていたから。今は生産も物流も動いているので、通常通りに行動していただければ、製品はまた行き届くはずなんです。状況と実態を知っていただけたらと思いTwitterで発信しました」

「不安やパニックが欠品を生んでいる」

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新型コロナウイルス感染が広がる不安の中で働いている従業員のストレスも、買いだめ騒動が追い討ちをかければ相当なものになる(写真はイメージです)。

REUTERS/Yuya Shino

さらに、もう一つ大事な狙いが協会にはあるという。

「現場で働く従業員の方を守らなければならないという思いです。クレームや問い合わせが殺到しています。商品がないのでその場でクレームをつけられることもあります」

トラックから店舗への納品時に、駆け寄って来て商品を手にしようとする人。店舗のバックヤードに入って来て「本当にないのか」と問い詰める人。全て現場で起きていることだが、

「そういう方がいらっしゃると、そもそも荷下ろしもできないので欠品も長引きますし、身の危険もあります」(全国スーパーマーケット協会)

マスクをしていたら「どこで仕入れたんだ」と詰め寄られることもあり、していなくても今度はそれでクレームが出るという。

一連の事態を受け、農林水産省食品流通課の担当者は「カップ麺や冷凍食品が品薄になっているのは把握しているが、現時点で物流に問題はないし、メーカーからは増産体制にも十分に対応できると聞いている。原材料の枯渇も心配していない。不安やパニックが欠品を生んでいるので、消費者には落ち着いた購買行動をお願いしたい」と話している。

(文・滝川麻衣子)

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