モスクワ郊外の病院の建設現場。
Mikhail Japaridze/TASS via Getty Images
- ロシアは、他の国と比較して、新型コロナウイルス感染の症例が比較的少ないと報告されている。
- しかし、専門家たちは、COVID-19からほとんど隔離されているというロシアの主張に疑問を呈している。
- 報道によると、モスクワから50キロメートルの場所に、数百人の労働者が500床規模の病院を建設している。
- 衛星写真は、パンデミックに対応して建設されている施設の規模を明らかにした。
ロシアは3月30日の時点で、新型コロナウイルスによって引き起こされる呼吸器疾患、COVID-19の症例が1836件だと報告している。
他の先進国と比べると、その数は非常に少なく、16万件以上の症例が発生しているアメリカとは比べるまでもない。最近までロシアは、大量の移民労働者と多数の海外旅行者を抱えているにもかかわらず、流行のリスクを軽視していたと報じられている。
しかし、現在、ロシアでのコロナウイルスの問題が公式に報告されているよりもはるかに大きい可能性が高いという兆候が現れている。
3月29日、モスクワ市の1150万人の住民は「明日から外出が禁止され、市内を移動するには特別な許可証が必要になる」と告げられたと、ニューヨーク・タイムズが報じた。
Maxarが撮影した新しい衛星写真には、モスクワの中心部から約50キロメートル離れた農地と見られる場所に、突然大きな病院施設が現れた様子も写っている。過去3週間の報道は、ロシアが複数のコロナウイルス感染症患者用の病院建設を計画していることを示唆しており、いくつかの病院は最近着工した。
ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーの3月19日の報道によると、モスクワ近くの建設現場は面積が約43ヘクタールもある。同局はまた、モスクワの小児科医、フョードル・カタソノフ(Fyodor Katasonov)氏の言葉を引用し、この病院の規模はパンデミックの拡大に対する「必要最小限」の対応だと伝えた。
以下の衛星画像は、その場所の規模と活動のペースを上空から捉えたものだ。
2019年11月11日、中国の武漢とその周辺でパンデミックが発生する1カ月以上前の画像
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
2020年3月28日の同じ場所。広大な農地がすべて緊急建設現場に変わっている
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
建設現場の中心部にズームイン
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
10以上のクレーンが同時に、建築材料を所定の位置に運ぶ作業を行っている
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
敷地の東端では、建設作業員のものと見られる多数の車が畑に駐車している
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
道路の向かい側にはテントらしきものがあり、小さな村のようになっている。 このテントは、24時間体制で作業するための宿舎の可能性がある
Satellite image ©2020 Maxar Technologies
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)