マドリード警察が投稿した写真。イタリアでは、新型コロナウイルスの患者に酸素を供給するため、シュノーケルマスクを活用しているという。
Madrid Police/Twitter
- 新型コロナウイルスとの厳しい戦いが続くスペインでは、マドリード警察が3月30日(現地時間)、一般市民にフルフェイスのシュノーケルマスクの寄付を呼びかけた。
- シュノーケルマスクは、簡易的な人工呼吸器のパーツになるという。人工呼吸器は、呼吸が著しく困難な患者に酸素を供給するために使われる医療機器だ。
- これは、人工呼吸器が不足し始めたイタリアでエンジニアが先駆的に開発した方法だ。
- 新型コロナウイルスの感染が拡大しているイタリアとスペインは、世界で最もウイルスによる死亡者数の多い国だ。
スペインでは、新型コロナウイルスの患者を救うため、シュノーケルマスクの寄付が呼びかけられている。
マドリード警察は3月30日、ツイッターでフルフェイスのシュノーケルマスクを募った。
シュノーケルマスクは、3Dプリンターで作ったバルブを使って人工呼吸器につなぐことができ、1つの人工呼吸器を複数の患者でシェアすることができるという。
AFP通信によると、この方法は、新型コロナウイルスが大流行し、人工呼吸器が不足し始めたイタリアでエンジニアが開発したものだ。イタリアとスペインは4月1日現在、世界で最もウイルスによる死亡者数の多い国だ。
シュノーケルマスクを利用するこの方法は、他の国でも導入されている。
ベルギーの首都ブリュッセルにあるエラスムス病院の呼吸療法士、フレデリック・ボニエ(Frederic Bonnier)氏は、シュノーケルマスクを人工呼吸器(BiPAP)につなぐバルブの設計を手伝った。
ただ、この方法は「呼吸器に深刻な問題」がある人のために設計されたもので、極めて重症化した患者には使用されない。こうした人々には、その人の呼吸を完全に引き受ける、別のタイプの人工呼吸器が必要になる。
スポーツ用品会社デカトロン(Decathlon)のスペインとイギリスのウェブサイトによると、同社はフルフェイスのシュノーケルマスクのオンライン販売を取りやめ、必要な病院に寄付しているという。
4月1日現在、スペインの新型コロナウイルスの感染者数は9万5000人を超え、8464人が死亡している。
(翻訳、編集:山口佳美)