ユーグレナ、ミドリムシ原料の次世代バイオディーゼル燃料「完成」。いすゞ自動車へ供給開始

シャトルバス

次世代バイオディーゼル燃料を搭載予定のいすゞのシャトルバス。

出典:ユーグレナ

国産バイオジェット・ディーゼル燃料の開発に取り組む国内バイオベンチャーのユーグレナは、自社が開発した次世代バイオディーゼル燃料が「完成」したと発表。

ユーグレナは本格的な次世代ディーゼル燃料の供給に先立ち、2014年から実用化に向けて共同研究を行ってきたいすゞ自動車へ完成した燃料を供給。

4月1日から、いすゞ自動車の藤沢工場敷地内で、ユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料を使ったシャトルバスの運行が開始される。

「日本をバイオ先進国へ」の大きな一歩

IGREEN OIL JAPAN

2018年11月2日、実証プラントの竣工式にて、ユーグレナなどが日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す『GREEN OIL JAPAN』を宣言した。

出典:ユーグレナ

ユーグレナは2018年10月、日本初の国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向けて、神奈川横浜市鶴見区に製造実証プラントを建設。全日空、いすゞ自動車ら複数の企業とともに「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を宣言している。

今回のバイオディーゼル燃料の完成について、ユーグレナは、

「次世代バイオディーゼル燃料が完成したことにより、『GREEN OIL JAPAN』宣言に賛同する企業に向けて、近日中に次世代バイオディーゼル燃料の供給を本格的に実施します」

と、順次賛同企業へ供給先を広げていく意向を示している。

なお、今回完成した次世代バイオディーゼル燃料は、従来の石油由来の軽油を100%代替できることから、環境負荷が非常に低いことが注目される。

いすゞ自動車は、2018年にユーグレナが研究開発用に試作したバイオディーゼル燃料を使った性能試験を実施しており、軽油を使った場合と同等の性能が出ることを確認している(本試験で使用した燃料はアメリカで製造)。

バイオ「ジェット」燃料の完成まではあと一歩か

バイオ燃料実証プラント

ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント。2018年秋に横浜市鶴見区に建設された。

出典:ユーグレナ

気になるのは、ユーグレナが2020年に目指すとしているバイオ「ジェット」燃料を用いた飛行機の有償フライトの実現スケジュールだ。

1月30日には、実証プラントに導入している製造技術が、同プラントでつくられた燃料を民間機に搭載するのに必要となる国際規格の新規格を取得したと発表。

続いて2月4日には、国土交通省の通達「航空機に搭載する代替ジェット燃料(ASTM D7566規格)の取扱いについて」の一部改正によって、実証プラントで製造するバイオジェット燃料を国内で使用することが可能になった。その日に向けた準備は着実に進んでいるとみられる。

ユーグレナの永田暁彦副社長は新規格を取得した1月30日、Business Insider Japanの取材に対して、

「これで、自分たちでコントロールできない要素がなくなりました」

と語り、自信をのぞかせていた。

今後、実証プラントでは、いすゞ自動車などへのバイオディーゼル燃料の供給と合わせて、バイオジェット燃料の製造も進めていくこととなる。この工程が無事完了し、バイオジェット燃料が完成すれば、有償フライトの実現も現実味を帯びてくる。

ただし、飛行機での有償フライトには懸念もある。

現在、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、航空会社にも大きな混乱が生じている。この状況下で、有償フライトとはいえ、ある種試験的な飛行を予定通り行うことはできるだろうか。

現状の混乱に対して、ユーグレナの永田暁彦副社長は、

「新型コロナウイルスの影響は大きく、厳しい状況ではありますが、予定どおり2020年中の有償フライトを目指していきたいと考えています」

と、あくまでも予定通り有償フライトへ向けた準備を進めていく方針を示している。

(文・三ツ村崇志)

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