新型コロナでオンライン入社式続々。Zoom参加や社長あいさつ視聴で新生活始まる

新型コロナウイルスの影響を受け、新年度の入社式を延期・中止する企業が相次いだ。

4月に新入社員になる学生の約4割が、「入社式がコロナの影響を受けた」とするアンケート調査もあり、4月1日に入社式を行った企業の中には、オンラインでの実施に切り替えた企業も少なくない。

社長のインタビューを事前に収録し、4月1日に見てもらったり、ビデオ会議サービスZoomで新入社員をつないでリアルタイムで式を行ったりと、さまざまなオンライン入社式が行われた。

マネーフォワードはZoomで実施

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Zoomで行われたマネーフォワードの入社式(写真の一部を加工しています)。

提供:マネーフォワード

家計簿アプリなどを手がけるマネーフォワードでは3月中旬、入社式をオンラインで行うことを決めた。

新入社員には、事前にパソコンを配布。家にネット環境がない新入社員も参加できるよう、支給したスマホの利用方法なども含め、前日の夜まで確認作業が続いたという。

4月1日は、グループ会社も含む新入社員43人に加え社員など計約70人がZoomに接続。中には、福岡や北海道からオンライン参加した新入社員もいたという。

新入社員や社長のあいさつなども、Zoom上でスムーズに進んだという。

「入社式は社会人としての気持ちを切り替える場と思っているが、オンラインでもその意味は果たせた。新入社員は緊張して固い様子でしたが。毎年、入社式は感極まってしまうのですが、オンラインでもそれは変わらず涙目になってしまった」(同社人事本部副本部長の菱沼史宙氏)

同社では今後2週間、Zoomを使って新入社員研修を行うという。

GMO、オンライン上で声を合わせて宣言

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オンライン入社式であいさつするGMOグループ代表の熊谷正寿氏(写真の一部を加工しています)。

提供:GMO

1月下旬から在宅勤務を推進してきたGMOインターネットグループでは、新入社員165人と役員、社員らの合計約260人が参加する入社式をZoomで開催した。

同グループの入社式では毎年、企業理念などが書かれた「スピリットベンチャー宣言」を約15分かけて唱和しているが、今年はオンラインで実施。

「代わるがわる読み上げたり、みんなで一緒に読み上げたりするパートがあるが、初めてのオンライン実施で回線が途切れないか心配だった。やってみると意外と平気で、無事に進行できました」(同社広報担当)

新入社員に入社式の感想を求めたところ、「会場に行きたかったが、オンラインでも不自由はなかった」「顔を見られてよかった」という声があったという。

一方で、入社直後から在宅勤務になる点を不安に思う新入社員もいるという。

4月は4日間の新人研修を終えた後、オンランイン上でOJT (業務を通じた訓練)や、エンジニア向けのオンライン講座の受講をしてもらうという。

「新入社員のつながりを深める仕組みも考えたい。みんなで決めた料理をそれぞれ作って、Zoomで報告する企画なども考えています」(広報担当者)

ソフトバンクは動画視聴方式

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2019年4月に行われたソフトバンクの入社式。今年はオンラインで実施になった。

提供:ソフトバンク

ソフトバンクは、4月1日入社の新入社員571人の入社式を、事前に収録した社長や新入社員代表のあいさつの動画を見てもらう形で実施した。

2019年4月の入社式は東京ビッグサイトで実施したが、2020年4月は、原則自宅などで指定した時間に動画を見てもらう形に変更した。

同社の宮内謙社長は、「オンラインでの入社式は、20年前には実現できなかった。新型コロナウイルスに関わる影響は大きな困難ですが、情報革命によってビジネスをサポートする社会インフラをあらゆる産業へ提供することは意義のあることだと思います」などとあいさつした。

同社では新型コロナウイルスが鎮静化した後、再度入社式を行う予定といい、その際にはソフトバンクグループの会長兼社長の孫正義氏があいさつするという。

「今後新人研修を2週間行うが、4月中旬まで社員も原則在宅勤務としている。状況次第で、在宅勤務の期間が伸びるかもしれない」(同社広報)

新入社員4割が「入社式に影響」

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出典:ディスコ「新型コロナウイルスの入社式等への影響」

採用支援サービスのディスコは3月16~19日、4月から就職予定の大学生399人にアンケート調査を行い、新型コロナによる入社式への影響を調べた。

入社にあたり新型コロナの影響を受けるものについて尋ねたところ、37%が「入社式」、38%が「新人社員研修」に影響があると回答。「入社時期」についても4%が影響を受けるとした。

入社式に影響があると回答した人に、具体的な影響を聞いたところ、「入社式の中止」が最も多く47%。「入社式の規模縮小」は26%、「入社式の延期」は13%、「WEBでの入社式に変更」は12%だった。

7割「不安感じる」

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出典:ディスコ「新型コロナウイルスの入社式等への影響」

またアンケートでは、新型コロナにより新生活に不安があるかどうかを質問。大学生は「とても不安に感じる」が19%、「やや不安を感じる」が50%で、7割もの新入社員が不安を抱えていることが分かった。

具体的な不安の声としては、「入社式がなくなり、何とか気持ちを作らなきゃいけない気分」「入社する企業はテレワークを導入しているが、入社していきなりテレワークと言われても無理な話。どのように研修をおこなっていくか不安」「自粛ムードの影響を受ける事業が大半を占めるため、入社後のボーナス減などが心配」などだった。

4月に社会人の仲間入りを果たした新入社員だが、新型コロナウイルスによって大きな不安を抱えている。在宅勤務を推進する企業が多いが、話はそれで終わりではない。オンラインできちんと新入社員をサポートできるか、新入社員が職場に行かずともどう教育するかが問われている。

(文・横山耕太郎)

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