Shedd Aquarium
明るい話題が少ない中、アメリカではからっぽの水族館を探検するかわいらしいペンギンの姿が人々の心を温めている。
そのペンギンは、新型コロナウイルスのパンデミックで営業休止中のイリノイ州シカゴにあるシェッド水族館にいる。
ペンギンは今週、シロイルカの「カヤバック(Kayavak)」「マユアック(Mayuak)」赤ちゃんの「アニック(Annik)」に会いに行った。
ウェリントンを見つめるシロイルカ。
Shedd Aquarium
シロイルカたちは特にイワトビペンギンの「ウェリントン(Wellington)」に興味をそそられたようだ。
ウェリントンに近付こうとする2頭のシロイルカたち。
Shedd Aquarium
ウェリントンが気になって仕方ないシロイルカ。
Shedd Aquarium
シロイルカたちがペンギンを見たのは、恐らくこれが初めてだろう。シロイルカは北半球の北極海に生息する一方、ペンギンはもともと南半球に生息している。
ペンギンのウェリントンから目が離せなくなったシロイルカたちは、水槽のガラスのすぐ近くまで近寄ってウェリントンを見つめていた。
マゼランペンギンの「ティリー(Tilly)」と「カルメン(Carmen)」も、誰もいない水族館を歩き回り、初めてカヤバックと会った。
水族館のスタッフはからっぽの水族館を使って、動物たちをこれまでにないワクワクする方法で楽しませているようだ。
Shedd Aquarium
「シカゴのシェッド水族館は一般公開されていないかもしれませんが、飼育スタッフや獣医たちは常に施設内にいます」と広報担当者はInsiderに語った。
「建物内にゲストがいないので、飼育員たちはどうやって動物たちを楽しませるか、想像力を働かせています。新しい経験や活動、食べ物などを提供することで、動物たちが活発に、探検したり、問題解決に挑戦したり、自然な行動を表現できるように努めています」
ペンギンたちの"遠足"を始めた当初、ウェリントンはイルカや「Amazon Rising」のコーナーを見に行き、明らかに魅了されたようだったという。
イルカに興味津々なウェリントン。
Shedd Aquarium
「(ウェリントンは)ピラニアやメティニスといった淡水魚にとても興味を持ったようでした」
「魚たちもウェリントンに同じくらい興味を引かれたようで、"遠足"を楽しんでいるのはペンギンだけではないようです」
魚に興味津々なウェリントン。
Shedd Aquarium
水族館はその後、ウェリントンには現在、遠足中に出会った「お気に入りの魚」がいることをソーシャルメディアで明かしている。
イワトビペンギンのカップル「エドワード(Edward)」と「アニー(Annie)」は、水族館の大水槽を見に行った。
からっぽの水族館を探検するエドワードとアニー。
Shedd Aquarium
このカップルは案内所までチェックした。
案内所をチェックするエドワードとアニー。
Shedd Aquarium
シェッド水族館では、ペンギンたちの様子やその数々の冒険について、ファンに情報を提供し続けている。ペンギンたちによる"ラッコの見学"もその1つだ。
投稿を通じて、水族館はペンギンに関する"学び"も提供している。例えば、たくさんのファンがいるウェリントンは、実は32歳だ —— これはイワトビペンギンの平均寿命の2倍だという。
そして、からっぽの水族館を探検することが許されているのは、ペンギンたちだけではない。ヤマアラシの「タイソン(Tyson)」もペンギンたちに会いに行ったという。
先行きは不透明でも、動物たちにとってはできる限り普段通りを維持することが重要だと、シェッド水族館の飼育員たちはInsiderに語っている。
「"お楽しみ"は、動物たちにとっては日々の生活の一部なので、わたしたちは動物たちの普段通りを維持しています。水族館内の遠足は、頻繁にはやらない"お楽しみ"ですが」
「営業を休止しても、動物たちに影響はありません。毎日のように見ている飼育員を動物たちは見ていますから」
苦しい状況が続く中、シェッド水族館では、水族館を支援したい人向けに、ペンギンを含め水族館の動物たちを象徴的に養子にするオプションも用意しているという。
水族館は営業休止中でも、飼育員たちは動物たちの世話をしている。
Shedd Aquarium
シェッド水族館は3月13日から営業を休止している。
(翻訳、編集:山口佳美)