PhotoAlto/Jerome Gorin / Getty Images
- CNNトラベルによると、裕福な人々が主要都市から郊外へと避難し、ホテルを丸ごと貸し切り利用しているという。
- 富裕層がコロナウイルスの脅威を避ける最新の方法は、離れた場所にあるホテル、別荘を丸ごと借りることだ。
- 一般の航空需要が激減する中でもプライベートジェットの利用だけは急増し、億万長者たちは、反発を受けながらも、ウイルスから逃れるためにスーパーヨットをチャーターしている。
CNNトラベルによると、一部の裕福な人々は、大都市から人口密度の低い地域に避難していて、ホテルの部屋やロッジ、別荘などを借り始めたという。しかし、さらに裕福な人々は、それをさらに一歩進めて、宿泊施設を丸ごと自分たちのために確保している。
いつもなら5月にオープンするバークシャーの高級リゾートホテル、ブランタイア・カントリー・リゾートは、少人数のグループや家族のために丸ごと予約したい場合には利用可能になった。買い占めのコストは1泊3万8000ドル(約410万円)だ。
ゼネラルマネージャーのスティーブン・ベンソン(Stephen Benson)氏はCNNトラベルに対し、「冬の休業期間であるにもかかわらず、多くのゲストから、貸し切りを希望する電話を受けた」と述べた。
「家族や大切な人たちと一緒に脱出したいという思いは今まで以上に強くなっているようだ。我々のホテルを予約するのもそのための一つの方法だ」
メイン州のケープ・アランデル・インも同様だ。CNNトラベルによると、週1万9500ドル(約210万円)の料金で、14ベッドルームのホテル全体を借りることができ、オーシャンビューに加えて、週一回の清掃とすべての食事がついている。スタッフの安全を確保するため、すべてのチェックインがバーチャル化され、食事も事前に準備したものを提供するようになった。
同ホテルのマネージング・ディレクター、ジャスティン・グライムズ(Justin Grimes)氏はCNNに対し、「これは、4月に導入する新しいサービスだ。この地域にあるサマーハウスの多くは、ウイルス感染が拡大して以来、人口密度の高い都市部に住む人々の休息の場となっている」とし、「我々は、密集した都市の環境から距離を置こうとする人々のために、追加の宿泊オプションを提供しようと考えた」と語った。
裕福な人々が田舎の宿泊施設を貸し切りにするのは、アメリカの格差の象徴
これはアメリカの格差の象徴だ。多くの人は家を出る余裕もなく(または出勤停止)、ましてや街や市、州から離れてホテルを丸ごと買うことはできない。
隔離措置を無視する裕福な人々は「スーパースプレッダー」と見なされている。彼らはニューヨークのようなコロナウイルスのホットスポットからやってきて、郊外のより小さな町にウイルスを持ち込むことが多いからだ。このような人々が小さな町に到着すると、必ず地元の生活を混乱させる。その結果、全国で食料不足が報告されている。
さらに悪いことに、新しい住民の流入は小さな町の人々が利用するリソースを圧迫する。Business Insiderが以前報じたところによると、例えば、裕福な人々がいつもより数カ月早く別荘にやってきたナンタケット島には、病院が1つでベッドも14床しかないため、来訪者に「近寄らないで」と伝えたという。
ここ数週間で、億万長者がコロナウイルスから逃れるためにスーパーヨットをチャーターしたという報道があり、民間航空機の利用が激減しているにもかかわらずプライベートジェットの利用は急増している。これとは対照的に、人々が家の中にいる間に産業全体が崩壊し、3月21日までの一週間で、330万人ものアメリカ人が失業給付を申請した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)