東京ディズニーリゾート休園に揺れるオリエンタルランド。コロナショックによる売上減より深刻な「有価証券の評価替え」

「会計」や「ファイナンス」に苦手意識を持っている人は少なくないでしょう。けれど、数字を読み解くスキルは今やビジネスパーソンに必須。数字が物語ることの意味合いが分かれば、企業活動や経済事象をもっと解像度高くクリアに見通せるようになります。

この連載では、大手金融機関を経て現在はスタートアップ企業のCFOを務める村上茂久さんに、日々の経済ニュースや実際の決算データを事例にしながら「会計とファイナンスを同時並行で学ぶエッセンス」を解説していただきます。

前回に引き続き、コロナショック直撃で休園が続く東京ディズニーリゾートの運営会社、オリエンタルランドの業績について考えていきます。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休園を決めた東京ディズニーリゾート(TDR)。TDRを運営するオリエンタルランドにとって、コロナショックは経済的にどれほどのインパクトがあるのかという点は、多くの人が気になるところでしょう。

その点を探るため、前回はオリエンタルランドの損益計算書(P/L)における売上高と利益のマイナスの影響を見積もってきました。東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)が稼働できなければ当然、売上は上がらず、ひいては利益も期初の見込みを下回るであろうことは容易に想像がつきます。

「しかし、新型コロナウイルスの影響が及ぶのはP/Lだけではない。貸借対照表(B/S)にも少なからぬ影響がある」——前回の終わりで、私はこのように述べました。

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