コロナ感染リスクにカスハラも。緊急事態宣言にスーパー店員らが求めることは

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は4月7日にも緊急事態宣言を出すと報じられている。ロックダウン(都市封鎖)を行っている諸外国同様、食品や医薬品などの生活必需品売り場は営業を継続できるが、店舗で働く労働者を感染リスクやカスタマーハラスメントからどう守るかが今後の課題だ。

ライフライン支える労働者を守って

スーパー

感染リスクとカスハラで疲弊するスーパー店員たち。政治や消費者はどうすべきか(写真はイメージです)。

GettyImages / narin_nonthamand

スーパーマーケットやドラッグストアなど、小売やサービス業で働く人の労働組合「UAゼンセン」は4月3日、小池百合子東京都知事宛てに要望書を提出。「都市封鎖を行っている海外では、食料品、医療等の生活必需品の業種はライフラインとして営業継続が求められ、そこで働く従業員の安全確保が最大の懸念であるとされている」とし、緊急事態宣言を含め外出自粛要請に際しては、営業が必要な事業者に対して都から明確に営業要請を行うことをはじめ、以下の点などを求めた。

・営業要請の際には、高齢者・障害者の買い物時間の確保等のガイドラインを含む、必要かつ適正な範囲の営業時間等を定めること。また「トイレットペーパーパニック」を再現させないため、商品供給情報の発信を強化すること。

・従業員を感染や混乱から守るため、以下のような取り組みを行うこと

(1)従業員の感染防止のためのガイドラインの策定と事業者への指導。例えば、一定時間内の入店人数を制限する 、店舗の床に距離を示す安全マークを表示する 、掲示物などで顧客に距離を取るよう周知するなど

(2)従業員へのマスク・消毒液の安定供給

(3)労働力確保と過重労働防止のための営業時間規制

(4)混乱抑止のための店舗への警察巡回の強化

(5)迷惑行為を軽減するための警備員増員や周知広告のための助成

(6)労働者の希望に応じた新型コロナウイルス感染検査の確保

北海道では客足が110%以上になった店舗も

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UAゼンセンによると、2月下旬に緊急事態宣言を出した北海道で混乱が生じていたことなどを受け、今回の要望書を提出するに至ったという。北海道のスーパーマーケットで働く組合員からは、当時、以下のような声が上がっていたそうだ。

「マスクを付けていれば『あるなら客に売れよ』、付けていなければ『何を考えているんだ』とお客様からクレームが入る」

宣言後の数日間、客数は前年の110%以上。カップ麺やレトルト食品など一部商品は欠品してしまった」

「要員確保の観点から営業時間短縮の議論もあるが、ライフラインとして商品を安定供給する義務もあり、企業としても判断に悩んでいる」

「いつ従業員が感染してもおかしくない」

雑踏

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3月中旬に全国スーパーマーケット協会が行った調査でも、商品だけでなく、従業員用のマスクや消毒液などの衛生用品の不足を懸念する声が上がっていた。

毎日、マスク等を求めて開店前に行列ができているので、開店時の多忙な時間帯に誘導係に2~3人をかけなければいけない」

「(従業員に)マスク着用を義務つけているが、在庫があと少ししかなく、入荷の見込みがないのが課題」

「作業場内でのマスクやアルコール消毒液(衛生用品)が不足している

「設置している消毒液やトイレットペーパーが盗難被害にあう

また、「スタッフ不足により、一人あたりの業務が増大し疲弊している」「いつ当社の従業員が感染してもおかしくない」という声も。

世界では対策進む、消費者も冷静に

スーパー

オーストリアの首都ウイーンのスーパー。

GettyImages / Thomas Kronsteiner / スタッフ

諸外国のスーパーマーケットでは、対策が進む。

オーストリアでは客にマスクの着用を義務付け、店舗前での配布も行っている。イタリアでは店員が手袋をし、レジカウンター前に仕切りを儲ける店舗も。アメリカでは重症化リスクが最も高い高齢者だけが利用できる営業時間帯を設ける企業もある。またベトナムでも従業員がフェイスシールドを付けて接客する様子が報じられている。他にも、SNSには「エコバッグの持ち込みが禁止されていた」などの報告も。

UAゼンセンは「緊急事態宣言を出すならば、スーパーマーケットなどで働く人の感染リスクと、今後生じるであろう売り場の混乱についても行政は対応を考えて欲しい。また消費者は冷静な行動を」と呼びかけている。

(文・竹下郁子)

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