ワシントン州シアトルの車がほとんど走っていない高速道路。2020年3月30日。
REUTERS/David Ryder
- アメリカの大手保険会社は、人々が運転をしなくなったことによって保険金の請求が減り、その支払いが大きく減っている。
- オールステートは2020年4月、保険料の15%に当たる6億ドルを顧客に還元する。
- 世界中の自宅待機の動きで車が減り、道路が安全になって事故が減り、空気もきれいになった。
オールステート保険は、自動車保険の請求件数が劇的に減ったことで、保険料から数億ドルを還元しようとしている。
米国第4位の保険会社である同社は4月6日、ほとんどの顧客が保険料の15%、総額で約6億ドル(約650億円)を受け取ることになると発表した。
最高経営責任者のトム・ウィルソン(Tom Wilson)氏はプレスリリースで、「運転が減ると事故が減る。これは必然だ」と述べた。
ウィスコンシン州に本拠を置くアメリカン・ファミリー保険も、同様の理由で州内のドライバーに約2億ドル(約217億円)の保険料を返還すると述べた。
アメリカのドライバーが自宅待機を強いられているため、事故は実際に減少している。カリフォルニア大学デービス校の研究者によると、同州が在宅勤務を命じた3月19日以降、事故による死者と負傷者の総数はともに約50%減少した。
もちろん、ドライバーは今でもとんでもないミスを犯し、致命的な衝突事故を起こしている。
しかし、自動車の台数が減ったことで、アメリカの大半の地域で空気がきれいになっている。ロサンゼルスの場合、この40年間で最もきれいになった。
しかし、これは誰にとってもよいニュースではない。
アメリカとカナダの90以上の都市に展開する速度違反自動取締装置の会社は3月、収益が15%減少する可能性があると投資家に警告した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)