iPhone11でコロナ対策。「2mの社会的距離」チェック法に反響

社会的距離(ソーシャルディスタンス)

iPhone上で動作するAR定規「Keep Distance Ruler」を室内で使ってみたところ。

撮影:伊藤有

緊急事態宣言の発出で新型コロナウイルス感染拡大への警戒感は一段と深刻さを増している。4月8日、東京都では過去最大の140人を超える新たな感染者が判明するなど、状況の好転は見えない。

諸外国では、人と会話したり近づいたりする距離を2m程度に抑える「ソーシャルディスタンス」(社会的距離)という考え方が定着しはじめた。

この2mという距離感は、簡単なようでいて意外とわからない。人は、周囲のモノとの比較で距離感や奥行きを把握するからだ。

そこで、iPhoneのAR機能を使って、2mのソーシャルディスタンスをどこでもわかるようにしようという3Dデータをつくる人が現れた。

iPhone上で動作するAR定規「Keep Distance Ruler」

「ソーシャルディスタンスの為に2メートルの距離を測るAR定規つくってみた

リンクからiPhoneにダウンロードしておけば、どこでも距離を測れます」

このデータをTwitterを通じて配布しはじめたのは、クリエイティブ集団「PARTY」の アートディレクター/モーショングラフィックスアーティスト寺島圭佑さん。

世界中のニュースで6feet(約1.8m)のソーシャルディスタンスという言葉を目にする機会が増え、自分にとってどのくらいの距離なのか?と疑問に思ったことがきっかけだったと話す。

発案からアウトプットまでのスピードは早かった。「企画を含めても考えて1日、作業開始からテスト・配布までは6時間ほど」(寺島さん)。

4月7日の夕方、TwitterにダウンロードURLと動画などを投稿した。その後、およそ24時間で1400以上の“いいね”が集まるなど、テクノロジーを使ったアイデアの新鮮さに反響が広がっている。

半径の2mの円形は非常に大きいので、感染拡大防止にはこれほどの『ソーシャルディスタンス』が必要なのだということ実感して頂ければと思います」(寺島さん)

配布しているデータは、3Dオブジェクトの保存形式の1つ「USDZ」ファイルで配布されている。

iPhoneのブラウザーを使ってダウンロードし、ファイルを開くだけで、AR定規が使える。専用アプリなどは不要だ。

使い方がわからないという人のために、操作方法も独自に配布した。なお、AR対応機種に関するアップル公式サイトの説明はこちらから。

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Keep Distance Rulerの使い方ガイド。Safariを使ってGoogleドライブにアクセスし、ダウンロード。タップするとiOSのAR Quick Look機能を使って表示される。

出典:寺島さんのTwitterアカウントより

精度も十分、どこでも「社会的距離」が確かめられる

社会的距離(ソーシャルディスタンス)

屋外で表示してみたところ。

撮影:伊藤有

ファイルをダウンロードして実際に使ってみた。

AR定規「Keep Distance Ruler」は、iPhoneのAR表示機能AR Quick Lookの仕組みの上で動作しているが、実際の精度が気になる人もいるかもしれない。

念のため、屋外でメジャーを使って計測したところ、自分の足下からほぼ2mの位置に、Keep Distance Rulerの外周がくることも確認できた。精度は十分にあるといえる。

社会的距離

足形の部分に自分の足を合わせて使う。

撮影:伊藤有

社会的距離(ソーシャルディスタンス)

メジャーに合わせて2m先までみていくと、ちょうど先端部分が、Keep Distance Rulerの外周(200cm=2m)部分だった。

撮影:伊藤有

日常生活の買い物などのシーンのなかで、2mの距離を保って行列したり、レジ待ちをするのは結構難しい。

「(反響を見ると)私と同じように『意外と大きい!』と感じていただいているコメントが多く、狙い通りで嬉しいです。それと『子供に説明するのにいい!楽しい!』とコメントいただいたのが印象的でした。持続するのことに楽しいことは大切です」(寺島さん)

ソーシャルディスタンスの認識は、まだ日本では一部にとどまっており、レジ前などに取り入れているスーパーマーケットはごく一部だ。全国チェーンのある大規模スーパーマーケットチェーンでも、4月8日昼時点ではソーシャルディスタンスの表示は一切なかった。

新型コロナの感染拡大防止で、一般の人に求められていることは、とても"単純なこと"しかないと思っています。手洗い、うがい、マスク、ソーシャルディスタンス。皆が少しだけ意識を変えて、単純なことの積み重ねを、少し楽しみながら持続して」いくことが大切ではないか、と寺島さんは語った。

テクノロジーで日常を変え、楽しみながら身を守る。そんなアイデアとして、Keep Distance Rulerのような試みも活用していきたい。

(文・伊藤有)

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