緊急事態宣言の発令、街のインフラでもあるコンビニ各社の感染防止対応は…。
セブン‐イレブン・ジャパン
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が4月7日、7都県に発出されたことを受けて、大手コンビニ3社が店舗における感染拡大防止策を発表した。
各社ともレジカウンターの「間仕切り」やソーシャルディスタンス(他者との距離を一定程度保つこと)を呼びかけるなど、従業員の安全確保とインフラ機能維持の狭間で日々対応に追われている。
セブン-イレブン・ジャパン
セブン-イレブン・ジャパン「緊急事態宣言への対応について」
セブン-イレブン・ジャパン公式サイト
セブン-イレブン・ジャパンは5日時点で、緊急事態宣言への対応方針を発表。「感染リスクの低減や人命・安全を最優先」とした上で、各店舗の状況に合わせで「可能な限り営業を継続」するとした。
各店舗では従業員は出勤前に検温し、37.5℃以上ある時は出勤を停止させる。また、業務中にはマスク着用、多頻度での手洗い、手指の消毒、うがいの励行、レジやトイレ周りなど人の手が多く触れる場所のこまめな消毒に務めるとしている。また、8日には以下の感染防止策を発表した。
- レジカウンターで客と従業員の間に透明の間仕切りを設置
レジカウンターに透明の間仕切りを設置。飛沫の飛散を防止する。
セブン‐イレブン・ジャパン
- イートインコーナーの座席を間引き、席の間隔を確保。
イートインコーナーの座席を間引き、席の間隔を確保。客同士の空間を確保する。
セブン‐イレブン・ジャパン
- レジ待ちのスペースの床に距離の目安になるサインを設置
「ソーシャルディスタンス」を確保するため、レジ待ちスペースに客同士の距離を空ける目安となるサインを設置。
セブン‐イレブン・ジャパン
ファミリーマート
ファミリーマート「新型コロナウイルス感染防止に向けた取り組みについて」
ファミリーマート公式サイト
ファミリーマートは8日の発表で、社会・生活インフラとしての役割を果たすため「お客様、従業員、及び関係する皆様の安全と健康を最優先」とした上で、できる限り通常営業を継続する方針を表明した。
勤務時の体調確認、手洗い・消毒の実施、マスク着用などの徹底に務める。さらに各店舗では以下の感染防止対策を実施する。
- 原則「入口ドアを開放」し、店内換気を実施(密閉空間の回避)
- 現金受け渡し時に、直接手渡しでなく「コイントレー」の使用を励行
- 多頻度で手が触れる場所を小まめに消毒
- レジ接客時における、お客様の「立ち位置」変更のお願い(売場側の床にビニールテープ等で、お客様の立ち位置をお示し、密集・密接場面を作らない店内環境作り)
ローソン
ローソン「新型コロナウイルスに関連する取組について」
ローソン公式サイト
ローソンは8日、インフラ機能の維持に務めるとともに「店舗で働かれている従業員のみなさんの安全性確保を第一」にすると表明。店舗従業員の手洗い・うがいの励行、マスク着用の励行、アルコール除菌剤の活用などに加え、以下の感染防止対策を発表した。
- ソーシャルディスタンス啓蒙ポスター(1m以上間隔推奨のポスター)を店内に掲示
- ソーシャルディスタンス確保の為、レジをお待ちいただく立ち位置を床に表示
- 入口ドアを定期的に開放するなど店内の換気を徹底
- お客様用アルコール消毒液の設置
- 飛沫感染防止の為、レジカウンター部分にビニールシートの設置を推進(7都府県)
加えて、接触機会の削減を目的としたセルフレジを拡大するとしている。
各社とも感染防止策は「全店で実施しているものではなく一例」「店舗により実施状況は異なります」としているが、透明シートの取り組みは消費者にも認知され始めており、Twitterでは「コロナシールド」などと呼ばれている。
今後もコンビニ各社は従業員や顧客の感染防止を図りつつ、生活必需品を供給するインフラ機能としての狭間で対応することになりそうだ。
(文・吉川慧)