バンクオブアメリカのファブリシオ・ガロ氏。
Bank of America
- バンク・オブ・アメリカの幹部は、CNBCが入手した音声で、コロナウイルスがスタッフに与える悪影響を嘆いた。
- トレーディング部門の幹部であるファブリツィオ・ガロ氏は、3月25日の電話会議で、スタッフの生産性は個人的な快適さや在宅勤務の希望よりも優先されると同僚に語ったという。
- CNBCの報道によると、ガロ氏は「その会社を信頼していないのに、会社からお金を受け取ってはいけない」と述べたという。
- バンク・オブ・アメリカはCNBCに対し、「この会話は、2週間前、従業員が自宅から取引を実行することに関する新しい手順を制定しようとしているときに行われた。トレーディング部門では、すでに上級トレーダーを含めた95%の従業員が在宅勤務をしている」と述べた。
バンク・オブ・アメリカの幹部がコロナウイルスがスタッフの労働倫理に及ぼす影響について不満を述べている音声が、CNBCによって暴露された。
CNBCによると、同銀行の株式グローバル責任者でウォール街の著名人であるファブリツィオ・ガロ(Fabrizio Gallo)氏は3月25日の社内電話会議で、重要な職務に就いているスタッフの生産性は、病気になる怖れよりも優先されるべきだと同僚に述べたという。
ガロ氏は株式取引のグローバル責任者であるグレン・コー(Glenn Koh)氏や株式デリバティブのグローバル責任者であるシリル・ウォルター(Cyrille Walter)氏を含む幹部に対し、「もちろん、我々はこの特殊なケースに対応するが、気分はよくない。長期的にはそうするわけにはいかない」と述べたという。
同じ3月25日、アメリカのコロナウイルスによる死者は1000人を突破した。
パンク・オブ・アメリカのロゴ。
Bruce Bennett/Getty Images
COVID-19に対するスタッフの不安と在宅勤務に移行したいというスタッフの希望について議論しているときに、ガロ氏は「99%の人が快適でないと判断した場合、適切で秩序ある市場を提供することはできない」と述べた。
CNBCによると、ガロ氏は「だから、従業員もそれを理解しなければならない。重要な役割を長期的に担うのなら、会社を信用できないと言いいながら会社から金を受け取ることはできない」と述べたという。
「重要な役割を担いたくないと判断したのなら、それについて話し合う用意はある」
同銀行の最高経営責任者(CEO)、ブライアン・モイニハン(Brian Moynihan)氏は4月3日、CNBCの取材に対し、現在、同銀行のオフィスに出勤しているトレーダーは5%にすぎないと述べた。
コンピューターの画面を見つめる通貨トレーダー。2020年4月9日、韓国、ソウル。
Associated Press
モイニハンCEOは、従業員の要望を第一にすることを約束する公開書簡に署名した数人の経営者のうちの1人だ。
「従業員の安全を守ることが当社の原則だ」と書簡には記されている。「我々は、あなたの職場を守り、新しい職場環境への適応を支援するために、できる限りのことをする」
CNBCの報道を受けて、バンク・オブ・アメリカの広報担当者は次のように述べた。
「この議論の前提は、一定期間が経過し、政府と保健当局が安全であると述べた後のことだ。そのときには従業員はが職場に復帰する必要があるが、個々人で課題を抱えていることが予想されるため、復帰を支援する必要があるということだ。
この会話は、2週間前、従業員が自宅から取引を実行することに関する新しい手順を制定するときに行われた。トレーディング部門では、上級トレーダーを含めた95%の従業員が在宅勤務をしている」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)