ゲティ美術館は、有名な芸術作品を自宅にある日用品で再現するチャレンジ企画への参加を呼びかけている。
Courtesy of Ada Crow
- ロサンゼルスのゲティ美術館は3月25日、新型コロナウィルスの感染が拡大する中、外出を控えている人々に向けて、お気に入りの名画を再現するチャレンジ企画への参加を、ツイッターで呼びかけた。
- 再現するには、家にある日用品から3つのアイテムを選んで使うことになっている。だがアイテムを少ししか使わない人もいれば、たくさん使う人もいる。
- 企画への参加者は、食べ物からペットに至るまで、あらゆるアイテムを用いて歴史的な名画を再現し、その写真を投稿している。その中から特に面白い投稿を紹介しよう。
ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館は3月25日、新型コロナウィルスの感染が拡大する中、外出を控えている人々に向けて、自宅で名画を再現し、その写真を投稿するチャレンジ企画への参加を、ツイッターで呼びかけた
自宅にある物(人)で、名画を再現してみよう。
・好きな芸術作品を選ぶ。
・自宅にある物の中から3つのアイテムを選ぶ。
・そのアイテムで芸術作品を再現する。
完成したらシェアしよう
名画に登場するアンティークな道具類を再現するために、現代のありふれた小道具を使わなくてはならない。例えばヤコポ・カルッチの1530年頃の作品「ハルベーディアの肖像」には、ハルベルトという両手で使用する16世紀の刀剣が描かれており、それがホッケー用スティックで再現された
ゲティ美術館、大好き
食べ物などがふんだんに描かれた静物画も、21世紀のアイテムで再現された。1769年にジャン・シメオン・シャルダンが描いた「魚、野菜、グジェール、ポット、水入れのある静物」を再現したのがこちら
3つの食品グループ:ツナ缶、チーズ、オリーブオイル
抽象画の再現にも、ありふれた日用品が利用されている。例えばヘレン・フランケンサーラーが描いた「ミラベル」の再現にはトイレットペーパーが用いられた
ミラベル(1990)ヘレン・フランケンサーラー作
トイレットペーパーは、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、不足する事態となっているが、この名画再現チャレンジではよく使われる小道具になっているようだ。1872年にエドワード・バーン=ジョーンズが描いた「Temperantia」は、流れる水がトイレットペーパーによって見事に再現された
エドワード・バーン=ジョーンズ作、Temperantia
名画の中のキャラクターを表現するために、ペットまで登場する。例えば1290年頃に描かれた「聖母子像」や…
…フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の再現のように
真珠の耳飾りのパグ(原画は@mauritshuisから拝借)
パグ1匹、布、耳飾り1個
名画を再現すると、どのような日用品が何世紀にもわたって使われてきたのかがよく分かる。1668年にフェルメールが描いた「天文学者」と再現写真を比べてみよう
5回目のチャレンジ:ヨハネス・フェルメール作、天文学者
パンデミックが長引くにつれ、投稿される写真はますますクリエイティブになってきているようだ。1513年ごろにクエンティン・マサイスが描いた「醜女の肖像」は、セロハンテープをうまく用いて再現された
ゲティ美術館チャレンジ企画:身の回りのもので名画を再現しよう…“醜女の肖像”に挑戦
自宅隔離についての面白いツイートを添える投稿者もいる。ボッティチェッリ「ヴィーナスの誕生」の再現写真を投稿したこのツイートのように
ええ、自宅隔離中でも家族は元気です。気にかけてくれてありがとう。特に変わったことなんてちっともありませんから
食べ物までキャンバスとして使われている。ピザで再現された「ヴィーナスの誕生」や…
ピザでもいいかな。身の回りにある3つのアイテムとして野菜、ハム、チーズを使ってみた
…トーストの上の「叫び」。1893年にムンクが描いた作品の再現だ
パン、ジャム、クッキーで再現した「叫び」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)