ロシア連邦国大統領ウラジミール・プーチン氏
Mark Schiefelbein - Pool/Getty Images
ロシアによる大統領選挙中のハッキングは、プーチン大統領がヒラリー・クリントン氏を妨害するために指示したと米情報機関の報告書は結論づけた。
国家情報長官からの報告書は、民主党全国委員会とジョン・ポデスタ(John Podesta)氏に対するハッキングの真相を明らかにすることに尽力した米情報機関の成果だ。
報告書は以下のように述べた。
「我々は、プーチン大統領がアメリカ大統領選挙への介入を指示したと判断した。ロシアの目標は、アメリカ民主主義に対する国民の信用を弱体化させ、クリントン氏を貶め、彼女を大統領の座から遠ざけることだった」
また、報告書はロシアはトランプ次期米国大統領の当選を手助けしようとした、と結論付けた。
「プーチン大統領とロシア政府は、明らかにトランプ次期大統領に肩入れしてクリントン氏の信用を傷つけた。トランプ氏と比べると見劣りするような印象を与えることで、トランプ氏の当選確率を高めようとした」。この判断について、CIAとFBIは非常に強い確信を持っていると報告書では伝えられている(国家安全保障局:NSAの確信は、CIAやFBIと比べるとやや弱い)。なお、「ロシアの干渉が2016年の選挙結果に及ぼした影響」について報告書はいまだ査定していない。
ところで、ロシア政府は、クリントン氏が当選するものと予想していたという。
「クリントン国務長官が当選すると見るや、ロシアの干渉キャンペーンは彼女の大統領任期に損害を加えることに重点を置き始めた」
ジャーナリストのエイドリアン・チェン(Adrian Chen)氏は、ロシアのネット荒らし軍団についてレポートしている最中、彼らがクレムリン(ロシア政府)から報酬を受け、トランプ派プロパガンダをソーシャルメディア上に拡散していた可能性が高いことに気づいたという。
トランプ次期大統領は当初、選挙にまつわるハッキングとロシア政府の関連性について、アメリカ情報コミュニティーが下した判断に疑問を呈していたが、金曜日にハッキングに関する米情報機関の職員らからブリーフィングを受けたのちには、ロシアの関与をしぶしぶ受け入れた。
[原文:US intelligence report: Putin ordered a hacking campaign to harm Hillary Clinton]
(翻訳:近松)