2020年4月3日、ユタ州ソルトレイクシティの食料品店で。
Rick Bowmer/AP
- 過去4週間、自宅で過ごしてきたアメリカ人の購買目標は、基本的な商品から、退屈を解消したり、身だしなみを整えたりする商品へと変わってきた。
- 特に最近では、髪染めやバリカンの売り上げが急増している。
- 今回のアウトブレイクでは、トイレットペーパーや手の消毒剤などの必需品のパニック買いが巻き起こったが、消費者はそれ以降、料理や家庭内娯楽に関する商品にを向けている。
自宅待機で過ごした数週間の間に、アメリカ人の購買対象は、パンデミックの最初に購入ラッシュが起こったトイレットペーパーなどの必需品から、身だしなみを整える日用品へと、変化した。
ウォルマートのダグ・マクミロン(Doug McMillon)CEOは4月10日、NBCの番組で、売上のデータは「人々が家に閉じこもっているうちに、目標が変わってきた」ことを示していると述べた。
「人々は散髪を必要とするようになってきていて、ヒゲのトリマーや毛染めなどが増えてきた」と、彼は言った。
「ダイナミックな変化を見るのは面白い」
ヘアカラーやトリマーの売り上げが伸びているのは、3月末にアメリカの市や州が不必要な事業を閉鎖するよう命じたためで、アメリカの大部分の地域では当面、ヘアサロンや理髪店が閉店している状態が続く。
マクミロン氏によると、アメリカ人は、身だしなみを整えることに重点を置いた商品に加えて、孤独な時間を過ごすためにゲームやパズルなどの娯楽用品も購入しているという。
報道によると、3月初めにパニックに陥った買い物客がトイレットペーパーや手の消毒剤などの商品棚を空にする事態が全米で急速に拡大したため、以後、消費者の行動は注意深く監視されている。
2週間の隔離生活の後、アメリカ人は自由な時間を料理とパン作りを始めたが、ニューヨーク・タイムズやボナペティ(Bon Appetit)のようなメディアも、料理愛好家が簡単な、あるいは意外な組み合わせで食品庫を空っぽにするための特別レシピでストレス解消を手助けした。特にパンは、全国の家庭からインスタグラムに写真がアップされた。ニールセンのデータによると、3月後半の2週間は、イーストの売上がどの消費者向け製品よりも多く、前年の同週に比べて、647%と457%増加したという。
衛生用品から手入れ用品への移行は、コロナウイルスの流行が消費者の態度を変化させていることの一面に過ぎない。専門家たちが予測していることの一部は、小売業界の恒久的な変化である可能性もある。
公衆衛生当局は、隔離措置が「増加曲線を平らに」していることで楽観的な見方を示しているが、封鎖をすぐに取りやめるとは言っていない。
[原文:Americans are now panic-buying 'hair color' and grooming supplies, Walmart CEO says]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)