根拠のない薬物を薦める詐欺サイトが多数出現…トランプ大統領による言及の後に

怪しげなサイトが薬物を薦める、ヒドロキシクロロキン

ヒドロキシクロロキンの箱を持つ、フランスの薬局のスタッフ。

Chesnot/Getty Images

  • 詐欺師たちは数多くのウェブサイトを作成し、COVID-19治療法との関連性が疑わしい特定の薬物についての情報を検索する人々を騙しているという。
  • トランプ大統領は新型コロナウイルス感染症の治療薬として、抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンを繰り返し推奨しているが、科学者たちは治療に効果があるかを判断するには時期尚早と述べている
  • 治療薬に関する人々の興味につけこみ、金銭を騙し取る、あるいは個人情報を得ることを目的とする詐欺サイトが、数多く作られていることがわかった。

ドナルド・トランプ大統領は、明確な根拠がないにも関わらず、新型コロナウイルスの実験的治療として抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンを繰り返し推奨している

科学者たちは、それらの治療薬には深刻な副作用を起こす可能性があり、COVID-19の治療や予防の効果を裏付ける十分な証拠はないと述べている。しかし、トランプ大統領の発言もあって、新型コロナウイルス治療薬を切望する人々の動きは止まらない。

Googleトレンドで3月、この2つの治療薬への関心の高さから急上昇が見られた。ブラジルのボルソナロ大統領イーロン・マスクといった医学的な背景のない有名人も、科学者の警告にもかかわらずこれらの薬物を宣伝することで、この誇大宣伝に貢献してしまっている。

今、詐欺師たちが、人々の間で高まっている、効果が疑わしい新型コロナウイルス治療薬に対する関心を利用している。

セキュリティの評価サービスを行うNormShieldの研究者は、効果が疑わしい新型コロナウイルス感染症の治療薬を薦める新しいウェブサイトが、1月以降に少なくとも362件現れたことを確認している。その大多数が、新型コロナウイルス感染症の治療薬としてはまだ初期の検証段階にあるヒドロキシクロロキンまたはクロロキンを扱うものであり、他には抗ウイルス薬のレムデシビルもある。

典型的な詐欺サイトはフィッシング、つまり人を騙して個人情報を引き出すものだ。だが、効果が疑わしい新型コロナウイルス感染症の治療薬を扱うサイトの多くは、金銭を騙し取ることが目的だと、NormShieldのセキュリティー最高責任者、ボブ・マーレー(Bob Maley)氏は語った。

「これらのケースの場合、表向きは治療薬を販売するように見せかけ、人々から金銭を騙し取ろうとすることが目的のようだ」と、マーレー氏はBusiness Insiderに語った。

詐欺師たちはニュースや検索トレンドを追い、人々の関心や恐怖心につけこんで金銭を騙し取ることに慣れている。マレー氏によると、新型コロナウイルス関連の詐欺も例外ではなく、多くの詐欺サイトは、トランプ大統領が3月に抗マラリア薬について推奨し始めた後に現れたという。

「我々が詐欺サイトの増加を確認したのは、3月中旬だった」とマーレー氏。

「イーロン・マスクが治療薬に関してツイートし、トランプ大統領も言及し始め、急激に増加した」

詐欺サイトの多くは、騙された被害者に商品を配送せず、治療薬の代金を人々から騙し取る可能性が高い。だが、もっと広い意味では、世界中で治療薬への関心が高まると、これまで全身性エリテマトーデスなどの治療でこれらの薬を服用していた人の分が不足するようになる。また、科学者たちは、治療薬を誤って服用することで、恐ろしい副作用を引き起こしかねないと警鐘を鳴らしている。

[原文:Hundreds of new shady websites are pushing questionable COVID-19 drugs hyped by Trump and Elon Musk

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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