フードバンク需要急増でボランティアが足りない…一方、行き先のない牛乳と野菜は大量廃棄

フードバンクはボランティア不足

フロリダのフードバンクのボランティア。

AP Photo/Lynne Sladky

  • ニューヨーク市のフードバンクは、増大する需要を満たすのに苦闘していて、失業率が大恐慌以来の急上昇をする中で、非常事態を宣言した。
  • ニューヨーク市とその周辺地域で貧困との闘いに取り組む組織であるニューヨーク市ミッションソサエティによると、フードバンクではボランティアの需要が60%増加しているが、コロナウイルス感染の恐れで人を集めることができていない。
  • ニューヨーク・タイムズの報道によると、生鮮食品の流通が滞り、多くの農家は大量の牛乳を捨て、農産物を埋め、作物を廃棄せざるを得なくなっている。

ニューヨーク市のフードバンクが非常事態を宣言した。失業率の急上昇とコロナウイルスによるボランティアの減少が原因で、需要の増加についていくことが難しくなったからだ。

全米の失業率が、世界大恐慌以来最も高い13%にまで上昇したことで、ニューヨークのフードバンクの1/3が閉鎖された。ニューヨーク市で多世代にわたる貧困との闘いに取り組む組織であるニューヨーク市ミッションソサエティによると、現在、食料不足に直面しているアメリカの1710万人を養うためには、推定14億ドル(約1500億円)の資金が必要だ。

さらに、フードバンクのボランティアの需要は60%増加しているが、コロナウイルスに感染の恐れで、これを満たすことができなくなっているという。

食糧配給の需要急増に追いつけない主要都市のフードバンクにとって、ボランティアの不足は大きな打撃となっている。一方、ニューヨーク・タイムズの記事によると、アメリカの農家は大量の生鮮食品や乳製品の廃棄を余儀なくされているという。

農家がコロナウイルスによってレストランや学校、ホテルといった主要な買い手を失った結果、大量の食品廃棄物が生まれた。地元のフードバンクに商品を寄付しようとした農家もあるが、ボランティアが不足しているため、農家は大量の農産物を手元に残したままだ。

そして、農家は何万リットルもの牛乳を捨て、トン単位のタマネギを埋め、豆やキャベツの作物を廃棄している。

「そんな量を再分配する方法はない」と、アイダホ州でタマネギを栽培しているシェイ・マイヤーズ(Shay Myers)氏はニューヨーク・タイムズに語った。

一方、アメリカ人はフードバンクに並ぶの長い列に追いやられ、教会や体育館の周囲を取り囲み、車の中で待っている間に交通渋滞を引き起こしている。テキサス州では、4月14日にサンアントニオの1つのフードバンクに1万世帯が集まり、ボランティアと職員は需要を満たすことへの懸念を表明した。

サンアントニオ・フードバンクのCEOであるエリック・クーパー(Eric Cooper)氏は地元紙サンアントニオ・エクスプレス・ニュースに「必要とされている配給ペースを維持できるかどうかはわからない」と語っている。


[原文:New York City food pantries declare a state of emergency as demand soars, while thousands of gallons of milk and tons of produce are dumped nationwide

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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