アップル、4万円台の新型「iPhone SE」発表…正体は「中身が“11世代”のiPhone8」

第2世代iPhoneSE

新型iPhone SEのカラバリ展開。

アップル

4月16日午前0時(日本時間)、アップルは第二世代の「iPhone SE」を発表した。予約発売は4月17日21時から。搭載するストレージは64GB・128GB・256GBの3モデルで、価格は4万4800円、4万9800円 、6万800円 (すべて税別)となっている。iPhone 11が7万4800円からであることを考えると、かなり価格を抑えた印象がある。その内容を速報する。

iPhone 8のボディに大型化、指紋認証搭載

iphonese-6

新型iPhone SEの公式サイトより。

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新型iPhone SEは、名前こそ従来モデル(2016年3月発売)と同じだが、デザインは異なる。だが、位置づけは過去のSEにかなり近い。

2016年モデルは、2013年発売の「iPhones 5s」のデザインを踏襲しつつ、iPhone 6に近い、新しい技術でリニューアルした製品だった。「5s」が4インチディスプレイを備えたモデルであり、大型化していくスマートフォンの中では小ぶりなサイズだったことから、低価格版モデルであると同時に「小型のiPhone」として根強い人気を集めた。

第2世代iPhoneSE

左が初代iPhoneSE、右が今回の第2世代になった新型iPhone SE。最新のiOS13.4は、旧型SEにも適用可能だが、旧型は発売から4年が経過し、いつまでサポートが続くか心許ない。SEの性能が最新プロセッサベースになることは、今後の更新も安心して使いつづけられるということでもある。

アップル

対して新型iPhone SEは、2017年発売の「iPhone 8」をベースにしたデザインで、サイズなどはiPhone 8とまったく同じ。保護カバーも8のものが流用できる。ディスプレイは4.7インチに大型化し、その分ボディも旧型iPhone SEより大きくなった。

「iPhone 11」よりも小さく、「現行のiPhoneとしては最小」ではあるが、iPhone 4から5sまでのコンパクトさを引き継いだ「初代SE」のサイズ感を求めている人には、やや期待外れかもしれない。

最大の特徴は「低価格でもiPhone11相当の性能」

第2世代iPhoneSE

新型iPhoneSEが追加され、現行の最新iPhoneのラインナップはこの4モデル体制になった。

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ポイントは、「低価格でありながら性能は今のiPhone」になっていることだ。プロセッサー(SoC)はiPhone 11と同じ「A13 Bionic」。背面カメラは1つだが、12メガピクセル(画角は35mm換算で28mm、F1.8)と、性能が低いわけではない。

最新世代の性能・体験を、従来型のボディーに入れ変えて価格を抑える、というコンセプトは、初代SEとまったく同じだ。

カラーは3色。ホワイトとブラック、そして「(PRODUCT)RED」と呼ばれる、HIV/AIDS支援キャンペーンカラーである赤を使ったモデルだ。


第2世代iPhoneSE

iPhone8ベースの機種のため、顔認証のFace IDではなく、指紋認証のTouch IDを搭載。

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iPhone 8をベースにした製品なので、顔認証機能である「Face ID」は搭載しない。ホームボタン内蔵の指紋センサーを使う「Touch ID」だ。技術的には先端ではないが、マスクをつけている時間が長く、顔認証が利用しづらい今は、むしろこちらを求める人も多いかもしれない。

ディスプレイには(Proシリーズの有機ELではなく)液晶を採用しており、画面サイズもiPhone X以降の世代に比べると縦方向に短く、若干狭い。とはいえ、1334×750ドットのディスプレイは、現在でも十分に高解像度で広く、美しい。

背面カメラは1つ。通信機能はeSIM搭載など「11世代」

第2世代iPhoneSE

低価格モデルを感じるのはカメラ機能。「超広角」カメラが搭載されていないこと、夜景を写す「ナイトモード」に対応していないことなどが挙げられる。ただ、ポートレートモードを含めた撮影のテクノロジーは、A13 Bionicを使った「11世代」の技術なので、相応に高画質であることが期待できる。

アップル

アップルはここ数年、旧機種になったiPhoneについて、販売ラインナップから単純に外すのではなく、価格を下げて販売するようになっている。また、状態の良い中古製品も市場には多数ある。

そうしたなかで、「中身のほとんどが最新のiPhone 11世代と同じ」という新型iPhone SEは、現在のアプリはもちろん、今後出てくる規模の大きなアプリにも対応がしやすいことが大きな差別化要素になる。

第2世代iPhoneSE

新型iPhoneSEはeSIM対応。SIMカードに記録された電話番号とあわせて2つの番号が持てる。

アップル

最新性能であることは、通信機能関連にも言える。

現状iPhoneには5Gモデルはないので、通信方式は4Gで変わらない。一方、搭載されているWi-Fiは、高速な最新規格「Wi-Fi 6」だ。eSIMにも対応している。通信機能まわりは「ほぼ11と同じ」、最新の仕様に基づいていると考えて良さそうだ。

実際の使い勝手については、後日実機で確認してより詳しくご紹介する予定だ。

「Magic Keyboard」発売日を前倒し。4月21日到着予定

iPad Pro用Magic Keyboard

タッチパッドを搭載したiPad Pro用Magic Keyboardも前倒しで発売開始になった。

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なお、iPhoneとは直接関係ないものの、別のニュースも発表された。

3月17日に発表されたiPad Pro用外付けキーボード「Magic Keyboard」は、発表時には「5月発売」とされていたものの、発売時期の前倒しが決定、15日深夜より予約が開始された。出荷は21日より。価格は11インチ用が3万1800円、12.9インチ用が3万7800円(ともに税別)。iPad Proのファンは、こちらも気になるのではないだろうか。

(文・西田宗千佳)

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