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- アメリカン航空のダグ・パーカーCEOは4月15日、90日以上先の予約がわずかに増加し、コロナウイルス危機による打撃の続く航空業界にとって希望の光となる可能性がある、と述べた。
- 法人客が第4四半期分の予約を取り始めているようで「第2・第3四半期に動きはない」とも述べた。
- しかし、旅行がいつ再開できるのか、パンデミックが収束して通常の生活に戻れるはいつなのか、依然として見通しは立たないままだ。
アメリカン航空のダグ・パーカー(Doug Parker)CEOによると、コロナウイルスによる航空業界の危機は相当な規模であるにも関わらず、事態が収まれば利用はすぐに回復する、そう楽観視する理由があるという。
CNBCのニュース番組「スクォーク・アリー(Squawk Alley)」の、4月15日(現地時間)のインタビューで、最近になって90日以上先の旅券の売り上げが伸びている、とパーカーCEOは述べた。
「先週、90日以上先の予約が、ほんの少しだがまた増え始めた」と述べ、実際に飛ぶまでは状況が変わる可能性もあるとした。
「我が国の再始動の準備が整ったという兆しではないだろうか」
加えて、法人客が年末のイベントや会議に向けて、フライトの予約を検討し始めているという。
「我社の営業チームは、第4四半期のコンベンションに取り組むことになっているそうだ」とCEOは述べた。
「確かに、第2・第3四半期にはこのような動きは見られない。だからこそ、これは世界が再び旅を始める準備を整えている兆しだと思う」
期待に満ちた兆候にもかかわらず、パーカーCEOは危機からの回復がまだ始まったばかりであるという。
「それはまだ準備段階であり、今日起こっているのではない」
コロナウイルスが世界中を機能停止状態にしたため、航空業界はほとんど一夜にして収入を失うことになった。パーカーCEOは、アメリカン航空の収入は前年比で90%減となっていると述べている。
今後の売り上げを後押しするため、アメリカン航空など多くの航空会社が、柔軟な発券ポリシーを実施。アメリカン航空は、2020年3月1日から5月31日の予約については、変更およびキャンセル手数料を免除する。キャンセルとなったチケットは払い戻しになるのではなく、後日の別便に振り替えられる。
アメリカン航空が法人に対しても同様に柔軟な対応をして、年末に向けて販売を促進しようとしているのかどうかは、現時点では不明だ。金融危機が業種を超えた引き締めにつながり、多くの企業は旅費を切り詰めることになりそうだ。
自宅退避や社会距離戦略が続き、人々が次第にじっとしていられなくなる中、夏や秋へ向け観光旅行の計画をすることは、将来の希望につながるかもしれない。
だが、旅行の再開がいつになるのか、予約したチケットで実際に搭乗できるのかは、まだわからない。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)