NASAの研究者は自宅から火星探査機を操作…最新3Dゴーグルの代わりに赤青のメガネ

砂嵐の最中に撮影された、火星探査車キュリオシティの自撮り。

砂嵐の最中に撮影された、火星探査車キュリオシティの自撮り。

NASA/JPL-Caltech/MSSS/Kevin M. Gill (CC BY 2.0)

  • 火星探査車キュリオシティを操作するNASAの科学者チームは、現在在宅勤務中であるため、職場で普段使っている高性能の3Dゴーグルが使えない。だが、ローテクで巧みな解決策を見出した。
  • それが、3D映画を見るときのような赤と青の3Dメガネを使うことだ。
  • この方法はうまくいったようで、科学者たちは自宅に居ながらにして、火星で岩石を掘り出すことに成功した。

在宅勤務中のNASAの科学者たちは、1980年代の映画館で見られたようなちょっとした技術を用いて、火星探査車キュリオシティ(Curiosity)の操作を続けている。

NASAは3月中旬、施設に勤務する複数の職員が新型コロナウイルスの検査で陽性となったことを受け、約1万7000人の全職員を自宅待機させている。そして他の多くの人々と同様に、NASAの研究チームも在宅勤務に順応しなくてはならなくなった。

NASAのジェット推進研究所(JPL)が4月14日に投稿したブログでは、キュリオシティを操作するチームのメンバーが、南カリフォルニアのJPLから届いたヘッドセットやモニターなど機材をどのようにセッティングし、自宅で仕事をする環境を整えたのかを、詳細に説明されている。

ただし、すべての機材が届けられるわけではない。

キュリオシティを操作するには、特殊な3Dゴーグルを用いている。これは、右目の視界と左目の視界を自動的に切り替えることで3D画像を作成し、周囲の地形を見て、どこにロボットアームを伸ばせばいいのかを判断する手助けとなる。

自宅からキュリオシティを操作するNASAの研究者たち。

自宅からキュリオシティを操作するNASAの研究者たち。

NASA/JPL-Caltech

このゴーグルを使うには、NASAの研究室にある改造されたゲーミングPCのような、強力なグラフィックカードを搭載したコンピューターが必要だ。だが、これを研究者の自宅に送ることはできない。

ブログには「キュリオシティを操作する研究者たちが、普通のノートパソコンでも3D画像を見ることができるように、シンプルな赤と青の3Dメガネを使うことになった」と書かれている。

「ゴーグルのように没入感があるわけでもなく、快適でもないが、計画通りにキュリオシティを移動させたり、アームを動かしたりすることができた」

キュリオシティチームは3月20日から在宅勤務をしており、3月22日には岩石の採掘に成功した。

「これはとてもNASAらしいこと」とサイエンスオペレーションチームのキャリー・ブリッジ(Carrie Bridge)チーフはブログで述べている。

「何か問題が起きたら、どうすればうまく解決できるのかを考える。火星は我々の都合のいいように動いてくれるわけではない。まだ探求の途中だ」

[原文:NASA scientists have to wear red-blue 3D glasses to pilot the Mars Curiosity rover because their advanced goggles don't work at home

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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