PCR検査陰性の帰国者が50人のクラスター形成。ロシアからの1フライト204人中60人が感染

インサイドチャイナ

REUTERS / Huizhong Wu

世界中で蔓延している新型コロナウイルス、各国での感染の実態を知るのは容易ではない。希望すればだれでも検査を受けられる国もあれば、医療崩壊を防ぐために検査を絞り込んでいる国もある。

死者にしても同じで、確定診断されないまま亡くなっている人は相当数に上るだろう。実態に近い数字が整理されるのは、数カ月、あるいは数年後を待つ必要がある。

だが、感染が急拡大している国を肌感覚で知る方法はある。中国のデータを見ることだ。

日本からの入国者も複数の陽性例

綏芬河

ロシアからのウイルスの流入にたまりかねた中国は、陸路の国境・綏芬河を封鎖した。

REUTERS/Yew Lun Tian

中国は3月以降、水際対策を強化しており、同月下旬には入国者全員にPCR検査と隔離を行うようになった。地方政府にとっても、水際で食い止めて市中感染を防げれば失点にはならないので、入国者の感染データは、透明性が高い。

例えば中国最大のビジネス都市、上海の場合、4月5日までに確認された入国者の感染は計142人。内訳はイギリス51人、アメリカ28人、フランス14人、イタリア10人となっている。日本からのウイルス逆流は多くないが、各省・市が発表する「入国感染者の国別内訳」を精査していると、数日に1件は「日本」という文字も見つけることができる。

中国の一部都市が水際対策を強化したのは自国での感染がピークだった2月中旬で、対象国は隣国の日韓だった。だが、実際には日韓からのウイルス逆流は起きなかった。そのころに好き好んで両国から中国に入国する人は少なかったからだ。

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