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キラキラしたテレワークは虚構。孤独でも現実を乗り越えるための5つのポイント

マンションの街並み

職場ではなく家で働くテレワークに移行した人々が多いかもしれないが、いいことばかりとは言えないだろう(写真はイメージです)。

撮影:竹井俊晴

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークに関する相談が3月上旬からポツポツとあり、4月上旬から一気に増えた。それは、筆者が12年目のひとり暮らしのフリーランスライターおよびカメラマンであり、もっぱら自宅が大好きで自宅作業中心が多いからと思われる。

相談してきた人の年代は20〜40代、相談内容の共通要素としてはひとり暮らし、また1R(ワンルーム)及び1K、1LDK住まい以上はナシ。ライフスペースとワークスペースが極めて近しい環境であり、切り分け方や必要な機材などの相談のほか、長期化に伴うメンタル面での心配をする人もいた。

ただ、「自宅が好きな人」「休日は外に出たい人」「誰かと話していないとダメな人」などの派生がある。筆者は上記の通り自宅が大好きで、自宅に籠もっていても比較的平気なタイプだが、この手の知見は多いほどいいので、似た環境の人のちょっとした支えになれば幸いだ。

ディスプレイ

必要機材としてまず優先してもらっているのが、ディスプレイ。作業効率がよくなり、またストレスも減る。

撮影:小林優多郎

さて、SNS上で目につきやすいテレワーク事例やアピールとしては、猫がいたり、広いリビングで作業したりとキラキラした絵が多い。言及する人の素性を見ていくと、2〜3週間のテレワークを経てのインプレッションであり、フリーランスになって自宅作業を始めたばかりのときを思い出す。

夢と希望、自堕落に溢れていたが、3カ月ほどで精神的な原因で体調を崩した。4月下旬になると、そんな話題も増えてくるのではないだろうか。準備期間ナシで自宅作業に突入した際のストレスは控えめに考えてもきついものがある。

また、5月6日に緊急事態宣言が解除されるようには見えない各パラメータだが、そうなれば従来の日本企業の多くが採用する過程主義とテレワークでは必然となる成果主義の軋轢(あつれき)も出てくるだろうし、作業効率のクリティカルな差の露呈など、ネガティヴな話題も増えるだろう。

1. 業務開始前/終了後のルーティンを定義する

通勤

「通勤」がルーティンになっている人も多いハズ。その際は日光浴がてら、最寄り駅やコンビニまで歩くのもアリ(写真はイメージです)。

撮影:今村拓馬

これまで起床→着替えなど→出勤で業務が始まっていたが、1Rの場合だと起きる→作業机に着席で業務を開始できる。通勤時間を気にしなくてもいいと感じているハズだが、同時に公私の切換タイミングも失っている。

そのため、1Rや1Kの場合、慣れるまでは1度外に出るのがオススメだし、スーツをあえて着用するのもアリだ。これをサボると、日常が侵食されるストレスを強く感じてしまいやすいし、作業部屋を用意できないのであればなおさらだ。

慣れてくると、着替えだけで済んだりするのだが、徐々にルーティンを減らして行く必要があり、年単位の話だ。よってなるべくこれまでに近いルーティンがいいだろう。

スマートウォッチ

リマインダーに通知を仕込んでおいたり、スマートウォッチ/バンドの座りすぎ通知機能を利用するとラクだ。

撮影:林佑樹

業務中のルーティンにも触れておくと、一定サイクルで休憩を挟むことが肝要だ。40〜50分に1回、5分休憩など。これは単純に集中力のキープ、つまり作業効率の維持が目的だ。

おやつを食べやすい環境ではあるので、ブドウ糖などを用意しておくといいし、休憩後ごとに立ち上がってストレッチを挟むことで、エコノミー症候群や肩こり、腰痛などの予防にもなる。

森永のラムネ

フリーランスになってから長くお世話になっている森永のラムネ。

撮影:林佑樹

2. 換気と頭寒足熱、軽い運動

自宅で作業していると眠くなる、ぼんやりしてしまう。これはその作業に飽きている以外だと、室内の二酸化炭素濃度や上下の気温差が原因であることがほとんどだ。

二酸化炭素濃度は、換気が不十分というだけで上昇する。花粉症シーズンが終わり、比較的気温も上昇傾向にあるため、窓全開で作業してみたり、CO2モニターを導入してみたりしてみよう。換気に関しては、ダイキンのウェブサイトがわかりやすく解説している。

上手な換気の方法

上手な換気の方法。

出典:ダイキン

上下の温度差は「頭寒足熱」が成立していないケースだ。頭寒足熱は肉体的にも精神的にもよいとされる状態を示す、諺(ことわざ)。とくに難しいことはなく、春〜夏の場合は靴下をちゃんと着用しておくだけでも作業効率に違いが生じやすい。やや古いソースになるが、松尾純太郎氏らによる論文「上下温度差が温熱快適性および知的生産性に及ぼす影響」(PDF)を読むと理解が深まる。

スクワット

よくオススメするのがトイレのあと、椅子に戻る前にスクワット10回。1日に40〜70回ほど実行できる(写真はイメージです)。

写真:Shutterstock/Gorodenkoff

通勤はルーティンであると同時に最低限の運動を兼ねている。通勤がなくなることで運動不足が顕著になり、心身への影響が大きい。そのため、なるべく運動を意識的に行なう必要がある。ある程度広い部屋であれば、ラジオ体操や器具でOKとなるが、1Rで20〜30代でガジェット好きの場合、そんなスペースはない。

3. 楽しくないと感じたら情報をシャットアウトする

おやすみモード

通知もオフに。常時「おやすみモード」でもいい。

撮影:林佑樹

災害時だけでなく、常時オススメとしているのが情報のシャットアウトだ。現状であれば新型コロナウイルス(COVID-19)関連ばかりを見ていると気が滅入るし、イヤでも目に入ってくる。

また、エコーチャンバーがあちこちで生じているのもいただけない。そのため、COVID-19関連であれば官公庁の1次ソースだけに絞り、趣味の情報などばかりを見ておくといった処理を推奨する。

シャットアウトのタイミングは、個人としては趣味関連の情報を見ていてもおもしろいと感じなくなったときに実施しているほか、Twitterのタイムラインを更新して7割以上が同じ話題である場合は、即座にミュートワードに設定している。

Twitter ミュート機能

Twitterの場合は特定ワードやアカウントのミュート。適用期間も「7日」「30日」「無期限」と選べる。

Facebook

Facebookは投稿の右上にある「…」から投稿情報の制御ができる。「投稿を非表示」を選ぶと、類似内容にも適用される仕組み。フォローの休止/停止もあるが、どれも相手に通知はされないので、カジュアルに実施していいだろう。

出典:Facebook

ゴシップサイトブロッカー

ブラウザーの拡張機能で制限をする。Chromeであれば「ゴシップサイトブロッカー」がお手軽。URLや禁止ワードを設定できる。検索を快適にする拡張機能はほかにもあるため、併用してみるのもアリ。

出典:Chrome ウェブストア

4. ビデオ会議に自分の部屋が映っていると辛い

作業専用の部屋を用意できている人物からは、まったく想像されないが、1Rや1Kの場合、そのまま生活空間がビデオ会議の背景になってしまう。仕事に切り換えた感覚が弱まるし、仕事に日常が侵食されるストレスが加速しやすい。

お手軽な対策はバーチャル背景だ。またバーチャル背景機能がないサービスの場合は、外部ツールの「Snap Camera」を活用したり、物理的空間に余裕があれば布などで簡易パーティションを用意してもいい。

瞳に映るもの

2019年に瞳に映った風景から自宅を特定され、住居侵入・強制わいせつ致傷に至った事件があったのを覚えているだろうか(写真はイメージです)。

写真:Shutterstock

もうひとつ部屋がよくわかる状況は、IT的に言えば「セキュリティホールがある」と公表しているのに等しい。背景から得られる情報は多く、またタイムスタンプも明確であり、ソーシャルフィードとセットで、その人の情報の多くを得られる。

スクリーンショットを見て、「背景にアレがある」「窓から何が見える」「ベランダの形が独特」だと思ったことはないだろうか。世の中、良い人ばかりではない。

5. 孤独との付き合い方、たまに誰かとどうでもいい話を

ひとり暮らしで病気になったら、病院や薬などでクリアできるが、孤独はポジティヴでもありネガディヴでも、取扱いが難しい。

また、孤独とはなにかとなると哲学的な世界になってしまうのだが……ある程度、自分で定義できると気が楽になるので、自問自答をしてみるといいだろう。どんなときに孤独感を感じてしまうのかは、個人差があり、まずは自分と対話する必要がある。

森博嗣『孤独の価値』

この機会に孤独関連書籍の探索をオススメする。森博嗣『孤独の価値』(幻冬舎新書)にある「絆の肥満」が筆者としてはしっくりきた。

出典:幻冬舎

筆者の場合だと「だいぶ誰とも話していないが、会話はできるのだろうか。最後に人と話したのはいつだったかなぁ」が孤独感が爆発するトリガーになりがちだ。不意打ちみたいやってくる上に、サイクルも不規則だ。直近では半年ほど前に遭遇している。

対策としてはコミュニケーション機能不全を疑っているので、その解消のために誰かと趣味的なことを話すアクションを取り入れた。これは音声のみよりは、ビデオチャットを優先している。情報量が多く、人として機能していることを体感できるからだ。

なお、2日ほど話していないときにも襲われたことがあるので、まめに予防として実施するのではなく「遭遇したら実施」になりつつある。

補足すると、仕事でのビデオ会議は慣れてくるほど、日常的な会話が減りがち。業務的なやり取りばかりになってくるとコミュニケーションではなくなってしまう。コンビニやスーパーなどでのやり取りもそれに近い。

(文・林佑樹)

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