自転車に乗る人の検査も実施するようになったドライブスルー型検査施設での体温を測っている。2020年3月27日、ルイジアナ州ニューオーリンズにて。
Kathleen Flynn/Reuters
- 感染症検査を大規模に実施することは、COVID-19の拡大に歯止めをかけ、人々が仕事を再開するにあたって欠かせない。
- アメリカでの人口当たり検査率は、他の多くの国よりも低かったが、最近では伸びてきている。
- これまでに累計約400万人のアメリカ人が検査を受け、最近では1日約15万人の検査ができるようになった。
コロナウイルスとの戦いでは、検査を大規模に実施することが非常に重要だ。アメリカにおける人口当たりの検査率は当初、他の大きな打撃を受けた国々よりも低かったが、最近では伸びてきている。
データサイエンティストやジャーナリストが主導するCOVID追跡プロジェクトでは、アメリカ各州の保健機関からの報告に基づいて、COVID-19の検査人数と陰性・陽性それぞれの人数を毎日記録している。
同プロジェクトによると、アメリカにおける検査人数は、4月20日には400万人を超えた(検査結果が出ていない分は除く)。そして、そのうちの77万2000人(19パーセント)が陽性だった。
以下のグラフはアメリカにおける検査人数の累計を示している。3月21日頃から着実に伸びている。
COVID追跡プロジェクトが取りまとめたアメリカにおける累計検査人数(単位:百万人)
Insider/Andy Kiersz, data from The COVID Tracking Project
同プロジェクトでは、1日当たりの検査人数の情報も提供している。以下のグラフによると3月後半から急激に増加し、4月中旬には毎日15万人前後の人が検査を受けている(4月4日に突出しているのは、カリフォルニアが保留していた検査のうち約4万6000人分の結果を報告したため)。
COVID追跡プロジェクトが取りまとめたアメリカにおける1日当たり検査人数(単位:千人)
Insider/Andy Kiersz, data from The COVID Tracking Project
アメリカにおける検査能力は、パンデミック初期と比べるとかなり高まっている。だがホワイトハウスのガイドラインによると、厳しい社会距離戦略を解除して経済活動を再開させようとしている州や都市は、さらなる検査を実施する必要があるとしている。
というのも、経済活動を安全に再開するには、保健機関がウイルスの広がりを追跡し、ホットスポットへの感染防止策を講じなければならないからだ。
ハーバード大学の専門家のレポートによると、アメリカで完全に「経済活動を再開」させるには、夏頃までに毎日2000万回の検査をする必要があるとしている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)