Brian Snyder/Reuters
- ヘッジファンド世界最大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は4月21日(現地時間)、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)がいかにアメリカ経済を作り変え得るかについて、リンクトイン(LinkedIn)のライブインタビューで議論した。
- ダリオ氏は、今回のパンデミックが人々の貯蓄や政府による医療への投資を促し、国家は必要不可欠な装備を輸入せず国内で製造するようになるだろうと見ている。
- 「わたしたちは今、自給自足の世界へ移行しようとしている」とダリオ氏は言う。
ヘッジファンド世界最大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は、新型コロナウイルスのパンデミックが人々のお金の面での決断や政府の投資優先順位、国際貿易に大きな影響を与えると見ている。
「世界はこれまでとは違って見えるだろう」とダリオ氏は4月21日、リンクトイン(LinkedIn)のライブインタビューで語った。
新型コロナウイルスの脅威が薄れ、ロックダウン(都市封鎖)が解除された後も、個人や企業は次の危機に少しでも備えておこうと、自身のお金に対して慎重になるかもしれない。
「貯蓄率は上がるだろう」とダリオ氏は見ている。
「誰もが自分の安全を確保したいからだ」
当局も新型コロナウイルスによって明らかになった医療システムの弱点に取り組もうとする可能性がある。例えば、人工呼吸器や救急病床を増やしたり、マスクなど防護服や防護具を充実させるために投資することもできる。
「優先順位が医療や基本の構築に変わるだろう」とダリオ氏は語った。
同氏はまた、それが一般的にさほど効率的でなくても、国家は必要不可欠な医療機器を輸入する代わりに国内で製造する方向へ移行するだろうとも指摘した。アメリカがマスクや人工呼吸器を中国から輸入することを「脆弱性」と表現したことを、ダリオ氏はその例として挙げている。
個人と国家がともに「自分たちは弱い」と認識したことで、「わたしたちは今、自給自足の世界へ移行しようとしている」とダリオ氏は言う。
国際的な供給網の現状も大きく変わる可能性があると、ダリオ氏は付け加えている。
「それは今と同じようなものにはならないだろう」
(翻訳、編集:山口佳美)