世界の原油在庫「あと2カ月で満杯」の衝撃。グーグルら135億円投資のベンチャー、貯蔵タンクの衛星画像を解析

クッシング 原油 オクラホマ州 衛星画像

アメリカ最大の石油ハブ(拠点)として知られるオクラホマ州クッシングの衛星画像。

Business Insider via Google Maps

  • 世界は誰もほしがらない石油であふれ返っている。史上初めて原油先物価格がマイナスに落ち込み(その後下落前の水準まで回復)、世界中の貯蔵タンクが満杯寸前だからだ。
  • 生産国からの供給が減らず、価格が下落して在庫が増える場合に備えて、世界にはどのくらいの原油貯蔵能力があるのか、正確に把握しておくことにはそれなりの価値がある。
  • アルファベット(グーグルの持株会社)傘下のGVやゴールドマン・サックスが出資するオービタル・インサイトは、特殊な手法で原油在庫を計算するスタートアップだ。
  • 同社が割り出した原油在庫は世界で最も広い範囲をカバーしており、それによると、過去1カ月で在庫は1億4000万バレルにふくれ上がった。

アメリカ最大の石油ハブとして知られるオクラホマ州クッシング(上写真)の上空を太陽が横切るとき、その小さな街を取り囲むように配置されたいくつもの原油タンクに日差しが降り注ぎ、影をつくり出す。

あなたが何か知りたいことがあるなら、その影がいろんなことを教えてくれる。例えば、原油タンクのサイズ、あるいはそのタンクの満タン度合い。そして実は、その2つの数字さえわかれば、タンクに入っている原油の量を正確に計算できることはあまり知られていない。

その情報には価値がある。なぜなら、原油には価値があるから。

トレーダーやアナリスト、エネルギー企業は、貯蔵タンクにどのくらい原油が入っているか把握するためなら、どんな苦労も惜しまない。在庫量は、サプライサイド(供給側)が原油の将来コストを判断する上で考慮する大事な要素のひとつだからだ。

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