Business Insider Japan編集部の9人がオススメするテレワーク術を伝授しよう。
撮影:Business Insider Jaapn
新型コロナウイルスの感染拡大をうけた緊急事態宣言が続くなかで、多くのオフィスワーカーがテレワークに切り替えたり、普段とは違うシフトでの仕事で状況に対応しようとしている。Business Insider Japan編集部もそんな現場の1つだ。4月頭から渋谷のオフィスではなく、各自の自宅を拠点に日々の取材や記事執筆を続けている。
「原則テレワーク」に切り替えた編集部員に、読者にオススメしたい自己流仕事術を聞いた。
なお、編集部員によるオススメの生活品質(QOL)向上術はこちら。
【時間管理】予定は細かく、1つ終わったら小休憩。長丁場を意識してペースづくりを(浜田)
【時間管理】「ポモドーロ・テクニック」で生産性爆上がり(西山)
【アイテム】USB Type-Cケーブル1本で画面出力も充電もしてくれるモニターがすごい(サムソン)
【アイテム】暗い室内。冷える足元。コロナで引っ越しも辞さない(三ツ村)
予定は細かく、1つ終わったら小休憩。長丁場を意識してペースづくりを
仕事を書き出すホワイトボード。終わったら消す、この消す時に達成感!
撮影:浜田敬子
年明けから雇用形態が変わり、在宅勤務の日が増えていた私にとっての悩みは、「在宅=長時間労働になりがち」ということだった。
だから、3月中旬から「毎日在宅」になったとき、「長く続くかもしれない」と覚悟し、仕事の進め方を見直し、いくつかのルールを決めた。
仕事開始は8時、その前に必ず着替える。これで気分が変わる。
最初にその日にやることを書き出す。できるだけ午前中に執筆、編集、企画書書きなど集中して考える仕事を、午後に取材や打ち合わせといった対外的仕事と寄せている。いったん途切れた集中力を元に戻すのは難しいから。
仕事を1つ終えたら、5分程度休憩。ストレッチをしたり、おやつを食べたり。休憩を細かく入れることで、夕方まであまり疲れなくなった。
最初は家族の3食づくりが面倒だなぁと思ったけど、今はそれがいい気分の切り替えに。12時にはNHKのニュースを見ながら昼食づくり(子どものオンライン授業の昼休みに合わせて)、夜は18時半ごろには仕事を切り上げ、夕食づくりへ。以前は夕食後もダラダラ仕事をしていたのをやめて、本を読むことに。
これはマラソン! とにかく体調管理のためにもペースを崩さないことを意識している。
(文・ 統括編集長 浜田敬子)
仕事に3時間バッファルール
明け方に仕事、朝ごはんを経て1時間の散歩は、リフレッシュになる。この後10時から再び仕事開始です。
撮影:滝川麻衣子
リモートワークでは仕事に3時間のバッファルールをつくっている。コロナ前は早朝の2〜3時間、日中の7時間+αが仕事だった。
しかし、小学校も保育園もなくなり、子どもたちが家にいる状況では、仕事のうち3時間を「子どもとの時間に使う」と決めた。普段も移動や雑談時間を考えれば、その程度のバッファはあるはず。
早朝仕事の後、1時間は散歩。さらに午前と午後それぞれ1時間を勉強みるか遊ぶ。パソコンも離れて集中する。割り切ってしまえば、残りの時間はかえって仕事に集中できる。家事や余暇は別だ。
当初は仕事も家事も子どものケアも同時にやろうとしてパニックに。「同時にいくつもやるとどれも中途半端になって焦る」と痛感した末の対策だ。
(文・副編集長 滝川麻衣子)
「ポモドーロ・テクニック」で生産性爆上がり
ポモドーロ・デーの日にはタスクをざっくりまとめておくと、実行しやすい。
撮影:西山里緒
甘いトマトにガーリックがピリッと効いたスパゲティー……ではない。
ポモドーロ・テクニックとは「25分の集中と5分の休憩をくり返す」時間管理術のこと。用意するのはタイマーだけ。25分という制限がかかることで、自宅でもオフィスにいるときのように集中できる。
コツは「今日はポモドーロやります!」と周囲に宣言すること。自分だけだと、タイマーをついついストップしちゃおう……なんてことも起こりがち。
事前に「今日はポモドーロ・デー」と決め、その日のうちに仕上げたいタスクもまとめておく。周りも巻き込むことで、サボるスキを極力減らすのがポモドーロ・テクニックの成功の秘訣だ。
ちなみに、難点はポモドーロのことをずっと考えているとおなかが空いてくること。あ~、そろそろごはんの時間かな!
(文・記者 西山里緒)
USB Type-Cケーブル1本で画面出力も充電もしてくれるモニターがすごい
ノートPCが16インチサイズのため、モニターの下には辞書が敷いてある。
撮影:サムソン
最近、我が家で力を発揮してくれるのは2万円ちょっとで買ったデルのモニター「P2419HC」だ。
コストを抑えるためフルHD解像度と、4Kなど高精細なパネルを使っていないが、なんといってもノートとの相性がよく、接続がカンタンだ。ノートPCをカバンから取り出して、モニターのケーブルを差し込むだけ。それだけでモニターと接続するし、さらに充電もしてくれる。
実際、16インチのMacBook Proには100ワットの充電器が付属としてついているが、このモニターが供給できる65ワットの電源でも十分に充電はできるし、わざわざ白い充電器をカバンから取り出して、テーブルの下にあるコンセントにしゃがんで差し込んだり、朝忘れないようにカバンに入れる必要もない。
電源回路そのものはモニター本体に内蔵されているので、邪魔で見た目も悪い黒いACアダプターも存在しない。ここもケーブル1本でコンセントに接続するだけ。さらに、モニターにはUSB端子が4つもあって、家にいるときしか使わないマウスやカードリーダーもアダプターなしで使える。
(文・ビジネスプロデューサー サムソン)
暗い室内。冷える足元。コロナで引っ越しも辞さない
電気ストーブとルームシューズで、足元の温かさをキープ。デスクの隣にすぐ扉があるため、温かくなりすぎたら扉を開けて少し冷ましている。
撮影:三ツ村崇志
完全在宅ワークが始まって、取材や記者会見への参加するとき以外は、基本的に自宅で作業している。そこで、一番問題になったのは居住環境だ。
私が住んでいるのは、アパートの1階。バルコニーで洗濯物を干せる程度には太陽の光が射し込んではいるものの、室内には日中でも光があまり入らない。
休日は外出することも多く、夏場も室内が暑くなりすぎないことから好んで住んでいたのだが、在宅ワークが長引くにつれて、日当たりの悪さ、それに伴う室内の温度の低さが気になってきた。
最近は、取材もテレビ電話で行うことが多く、なかなか外を出歩かない。運動不足もあいまって、足の冷えが止まらない。
そこで導入したのが、電気ストーブとユニクロの「パイルボーダールームシューズ」(税抜990円)。とりわけルームシューズはある程度の厚みもあり、肌触りも良く、コスパは上々だ。足元の冷えは一度気になると集中できなくなるため、なんとかこれで仕事に集中しようと奮闘している。
ただし、在宅ワークが今後も長引くと考えると、日当たりの良い家への引っ越しも本格的に考えたい。不要不急の外出は自粛せよとのことだが、必要なら新型コロナを機に少し都心から離れた、広くて明るい家へ引っ越すのもアリかもしれない。
(文・記者 三ツ村崇志)
インスタを活用。自分監視のススメ
初めてタイムラプス機能を使った筆者。
撮影:三田理紗子
普段、出社していた私が1番困ったのは、他人の目でしたが、今はどんな格好でも、バレなきゃセーフ。ラクになった反面、どこか集中できなくなっていました。
そんな私を救ったのは、Instagramのストーリー機能です。ToDoを書き、友人に宣言したり、今やっていることを撮影。
見られていることを意識しています。怠けているよりかは、キチッとした姿を見せたいというモチベーションが出てきます(ストーリーは誰が見たかすぐに確認できるのもいい)。また、ストーリーから会話が生まれるので、仲間がいることを実感。
どうしても集中できない時は、iPhoneの中にある「タイムラプス」機能もオススメです。自ら仕事姿を撮影すると、監視されている気持ちになり、背筋が伸びます。
(文・インターン 三田理紗子)
メリハリある生活のために「ラジオ」と「Prime Music」を使い分ける
あえて「radiko」ではなくラジオで聞いてみることをオススメ。
撮影:Business Insider Japan
緊急事態宣言がでて在宅ワーク継続中。この生活はいつまで続くのか? そう思っているのは私だけじゃないはず。ただ、フリーランスで自宅勤務だった筆者にとっては、この働き方はこれまでの形態とほとんど変わらない。
筆者は4月1日以降、外食ゼロ。濃厚接触者もゼロだ。仕事のやりとりはSlackなので、しゃべる必要もない。BGMとしてJ-WAVEを聞いていることが多い。
BGMを流すだけで自宅がちょっとしたカフェに早変わりで心地が良い。
使用しているのはソニーのCDラジオ「ZS-E80」。コンパクトでリモコン操作もでき便利。もっと小さなラジオを持っているが、持ち運び過ぎてよく行方不明になる。
仕事途中の休憩時や、寝る前のゆったりする時間はクラシック音楽に限る。今のお気に入りの奏者はマウリツィオ・ポリーニ。
ステイホームでたっぷり時間があるのをいいことに、同じ曲でも演奏者によってどう違うか?を聴き比べし、今はポリーニに決まったのだ。
そういう比較をするにもAmazonの「Prime Music」はとても便利だ。これまではクラシックに縁がなかったが、自粛ムードの現状にしっくりとくるのがクラシックだった。一生クラシックに縁がないかと思いきや、こんな所で心が落ちつく曲だと発見したのは密かな喜びである。
(文・編集部スタッフ)
ホテルのテレワークで気分転換
ホテルでのテレワークにはベッドという誘惑がある。
撮影:大塚淳史
自宅以外のテレワークで利用してみたのがホテル。この状況で、ホテルはどこもガラガラらしく、少しでも収入を確保したいのか、多くのホテルでテレワーク向けデイユース仕様のコースが用意されている。
家の近所にあるビジネスホテルでも、朝9時から夜19時までの10時間で税込2980円というコースがあったので利用してみた。当日朝9時にホテルに向かうと、同じくデイユースプランを利用する客が数人いた。
ホテルの最上階の部屋が使え、部屋の内部は当然キレイ。気分転換にはもってこいだった。
ただ、1つだけ問題があった。作業する机のすぐ隣にベットがある。休憩でベッドで倒れ込むと、あまりの布団マットの心地よさでそのまま数十分、気を失ってしまった。決して寝ていたわけではない。
(文・記者 大塚淳史)
1カ月半のルーティーンと「気分転換難しい問題」
快適なテレワークに欠かせない機材たち。
撮影:伊藤有
比較的早い段階からテレワーク体制に入ったBI編集部。自分の一人称目線では1カ月半ほどになる。諸般の事情で、仕事部屋が未だに使えないので、僕のリモート編集部はリビングだ。
最初の2週間ほどは「15インチ MacBook Pro」だけでこなしていたが、早々に長時間のデスクワークで体がつらすぎることに気づいて、3月後半から業務環境改善に着手した。
- 中古オフィス用品店のネット注文で「スチールケースのリープチェア」(新品の10分の1の価格で購入)
- 第2世代11インチiPad Pro(持ち歩けるデュアルディスプレイ兼通信内蔵のモバイル機として)
- 資料の印刷用にレーザー複合機(実売1万8000円なのに、自宅でコピー機感覚で使えてものすごく満足度が高い)
の3つを調達。
Macの中に「Zoom背景」フォルダーができたのもこの頃だ(毎日ゴールデンゲートブリッジ背景だと飽きる)。
試行錯誤しながら、できあがった現在の生活パターンはこんなところ。
- 朝:起きて朝食をとったらすぐに着替える。
- 10時:「始業」。始業より前は、仕事はしてもZoomやテレカンにはつながない。
- 13時前後:30分ほど、編集部のみんなとオンライン雑談。毎日。
- 13時過ぎ〜21時ごろ:夕食を挟んで、できるだけ仕事。
- 夜:なるべく、22時には仕事を終える。
テレワーク生活には、よく言われるように、良い部分も課題もある。
良い部分:
- 睡眠時間が明らかに長くなった。シンプルに、通勤時間分長くなったので、1時間以上伸びた。
- あまりにも家から出ないので自覚的に運動するようになった。週に2回以上はトレーニング器具を使って30分〜60分の室内トレ。最近はついに、人気のない時間帯のランニングも始めてしまった。
- 臨時休校のため、子どもと一緒にいる時間が増えた。
課題:
- 原稿や業務が立て込んでくると、働き過ぎてしまうこと。
- 集中力の維持が難しいこと(リビングワークは決して効率はよくない)。
- 気分転換に乏しいせいか、前日の疲れやストレスを翌日に引きずる感覚がある。
- 取材先との偶然の情報交換が減った印象。例えば「ご挨拶だけでも」みたいな出会いから、意外と新しい企画を思いついていたことに気づく。
「Stay at Home」「Shelter In Place」「巣ごもり」……いろいろな呼び方があるけれど、多かれ少なかれこれが新しい生活様式に吸収されていく実感がある。
気分転換と集中力の維持、というのは、「オンラインもくもく会」みたいな実験も含めて、まだいろいろと試行錯誤しがいがあるなという気がしている。
(文・編集長 伊藤有)
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