グーグルとその親会社アルファベットのCEO、スンダー・ピチャイ。
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検索エンジン最大手グーグルの持株会社・米Alphabet(アルファベット)は4月28日(現地時間)、2020年第1四半期決算を発表。売上高411億5900万ドル(約4兆3879億円、前年同期比13%増)、営業利益79億7700万ドル(約8504億円、同19%増)、純利益68億3600万ドル(約7288億円)だった。増収率は低迷しており、新型コロナウイルスの影響で3月に広告収入が激減したことが背景にある。
出典:Alphabet2020年第1四半期決算資料より抜粋
第1四半期の売上高の増加率は、2018年から2020年にかけて前年同期比26%増→17%→13%で推移している。
スンダー・ピチャイ氏(アルファベットおよびグーグルCEO)は投資家向けの電話会議のなかで、全世界的な新型コロナウイルスにの広告収入への影響について「四半期の最初の2カ月間(1〜2月)は好調な業績だったが、3月に広告収入が大幅かつ急激に減速した」とコメント。
これらの市況への影響が明らかになったため、いくつかの広告の立ち上げを遅らせたことを明かした。
一方、ユーザーのインサイトとして、
- Androidのアプリダウンロードは2月から3月にかけて30%増加
- 教育機関で使われる「Google Classroom」については4月20日週に、社内のマイルストーン(期間目標指標)を超え、1日あたりおよそ300万ユーザーの増加が続いている
- ビデオ会議サービス「Google Meets」は毎日1億人以上が会議に使っている
- アメリカでは新型コロナウイルス関連の検索活動(search activity)が、スーパーボールのピーク時の4倍に達する
などの状況にあると言及した。
最高財務責任者(CFO)のルース・ポラット氏によると、「ユーザーの検索活動は増加した一方で、商業的ではないトピックにシフトしたこと、広告主による支出の減少」などが、広告収益へのネガティブ要因になったとする。3月の広告収入の減少は、最終的に前年比で10%台半ばの減少幅になったと語った。
これが数週間の状況にすぎないものなのか、次の四半期の業績への影響が注目される。
グーグル関連主要事業の売上高と前年比は以下のとおり。
- Google検索、そのほか 約245億ドル(前年同期比8.6%増)
- YouTube広告 約40億ドル(同33.5%増)
- Google Cloud 約27億ドル(同52.1%増)
(文・伊藤有)