楽天市場の「母の日特集2020」を撮影。参加店舗によると、2020年は大型の鉢植えの注文も多いという。
撮影:横山耕太郎
5月10日は母の日。2020年「母の日」は新型コロナウイルスの影響もあり、プレゼントの傾向が変わっている。
外出自粛が呼びかけられる中、家での生活を充実させる商品が人気で、鉢植えや花束、運動不足を解消するフィットネスの売れ行きが伸びているという。
帰省できず、EC伸びる
楽天市場では、母の日ギフトの売り上げは増加傾向にある。
提供:楽天
楽天によると、楽天市場での母の日関連商品の売り上げは年々増加傾向にあり、2017年から2019年の2年間で、売り上げは約28%増加。2020年も前年を上回る注文が入っているという。
「GWに帰省して母の日のプレゼントを渡していた人が、今年は新型コロナの影響で帰省できず、インターネットで注文している人も多いのではないか」
楽天マーケティング部の角奈紡(かど・なつみ)さんはそう話す。
家の中でお花見を
遊恵盆栽が販売する桜の盆栽。母の日に合わせて開花するよう調整されている。
提供:楽天
2020年の母の日で売上を伸ばしている商品の一つが、サクラの盆栽だ。
新型コロナの影響で、春にサクラのお花見ができなかったこともあり、注文が増えているという。
母の日に合わせて花が咲くように調整されたサクラの盆栽を販売する遊恵盆栽(大阪府池田市)によると、4月の注文は2019年に比べ約3倍に伸びている。
同社では3年前から母の日に開花するサクラの盆栽の販売。2020年は樹高約15センチの盆栽(同4980円)などを販売している。
遊恵盆栽の楽天市場担当・伊吹万里子さんは「2019年はGWに入ってからの注文が多かったが、今年はずいぶん早く、3月から注文が来はじめた」と話す。
盆栽には自由なメッセージを記入できるカードが付けらえる。2020年は「落ち着いたら旅行に行こう」「桜祭りも中止だから、家で楽しんでね」などのメッセージがあったという。
「自宅で育てるサクラはかわいさもひとしお。家から出られないストレスもあると思うが、少しでも家で楽しんでもらえたら」(前出の伊吹さん)
ポストに投函されるミニブーケ
「イングの森」が発売するミニブーケ。
提供:楽天
ここ数年で注目されているのが、ポストに投函できるギフトだ。宅配便と違い、不在時でもポストに届くため、気軽にプレゼントできるという。
楽天によると、メール便で配達できる商品の売り上げは、2016年から2019年にかけ約1.3倍に増加している。
「宅配便の再配達に罪悪感を持つ人は多い。ポスト投函型の商品は、スイーツや雑貨など現在100万点以上あるが、商品も増えている」(楽天・角さん)
ガーデニンググッズや鉢植えなどをインターネットで販売する「イングの森」(東京都三鷹市)では、2020年の母の日に合わせ、ポストに投函される生花のミニブーケ(税込み1000円)を初めて販売する。
高さ約25センチのミニブーケは、薄い箱に入れられポストに届く。カーネーションに加え、ガーベラやカスミソウなど数種類の季節の花を組み合わせるという。
ポスト投函できるブーケの企画は2020年1月頃から進めていたが、新型コロナの影響で生花を取り巻く状況も一変した。
「生花の生産者も大きな影響を受けています。卸値が低下したり、小売店が休業したりして、出荷をやめた生産者も少なくない。
ポスト投函のミニブーケには今回初めて挑戦するが、母の日以降も続けたい。少しでも生産者の役に立てればと思っています」(イングの森・植田高行社長)
運動不足……フィットネスグッズが人気
運動不足を解消できる、家の中で使えるフィットネスグッズが人気を集めている。
出典:楽天市場・ボディプラスのHPを編集部キャプチャ
女性用のフィットネスアイテムも売り上げを伸ばしている。
楽天によると、「ダイエット・健康ジャンル」で「母の日」というキーワードが含まれる商品の売り上げは、2019年4月と比べ約2.1倍と大幅に増加している。
人気を集めているのはストレッチに使うポールなどのセットやダンベル、トランポリンなど。家で過ごす時間が増えた3月以降に、注文が増えたという。
「人気の背景には、離れて暮らす親の健康に不安を持つ人が多いこともある。今年はGWに家族と会えない人も少なくないと思うので、健康維持につながる商品の人気につながっているのはないか」(楽天・角さん)
新型コロナウイルスが流行する中で迎える、2020年の母の日。
今年は長くなった「おうち時間」を考えて、記者も母の日のプレゼントを選んでみたい。
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(文・横山耕太郎)