幸楽苑HD、夏のボーナス「不支給」と発表。役員報酬と社員給与カットも同時に

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幸楽苑HDは、新型コロナウイルスの影響で売上・客数減が著しく、夏季賞与の不支給を決めた。

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ラーメンチェーン「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングス(HD)は5月1日、従業員に今夏の賞与を支給しないことを決めたと発表した。

非常事態宣言が発令された結果、売り上げが大幅に減り、4月3日からは全国の店舗で時間を短縮して営業するなど対策をしてきたが、さらに「従業員の雇用と稼働の適正化を図る」必要があると判断した。

同時に、役員報酬と社員給与をいずれも3カ月間(5〜7月)減額する方針も明らかにした。会長と社長は月額報酬の50%、常勤取締役は30%、社員給与については20%カットする。

社員給与の削減と夏季賞与の不支給については、労働組合との協議の上での決定としている。

「いきなり!ステーキ」への業態転換に失敗、台風19号で工場停止

幸楽苑HDは、2019年10月の台風19号上陸による水害で福島・郡山の工場が操業停止し、その回復途上で新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた。

また、2017年に「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスとフランチャイズ契約をかわし、急激に多角化経営への業態転換を進めて挫折。不採算店を閉鎖するなどの回復途上でもあった。

そうした背景もあって、3月初旬には2020年度の連結業績見通しをいち早く下方修正。売上高が40億円減、営業利益が15億円減ることを発表した。

また、その後提出した3月度の売上速報では、売上高が前年同期比22%減、客数も21.6%減と、新型コロナウイルスの影響が深刻化していることを明らかにしていた。

役員報酬や社員給与の削減を決める苦境のさなか、幸楽苑HDは3月半ばから、地元・福島の子ども食堂や学童保育にレトルトカレー1万個を無償提供するなど、地域の食生活支援を行っている。

(文:川村力

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