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テレワーク拡大も6割が「従業員のストレス増加」企業はメンタルケアが課題

新型コロナウイルス感染症の拡大で在宅勤務が進む中、約6割の企業で「仕事上でのストレスを抱える従業員が増えた」という調査結果が明らかになった。働き方が変化する中、従業員同士のコミュニケーションやメンタルケアが課題となりつつあることが浮き彫りとなった。

この調査は、一橋大学経済学研究科の原泰史特任講師ら「組織学会」の経営・経済学者18名とHR総研が共同で実施。一橋大学イノベーション研究センターで公開された。2020年4月17日〜24日まで。全国314社の人事担当者から回答を得た。

63%の企業が「事業縮小を余儀なくされている」

4%の企業が一時的に事業の操業停止に直面。63%の企業が「事業の縮小を余儀なくされている」と回答。

4%の企業が一時的に事業の操業停止に直面。63%の企業が「事業の縮小を余儀なくされている」と回答。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

新型コロナウィルス感染症の主要事業への影響について、4%の企業が一時的に事業の操業停止に直面。63%の企業が「事業の縮小を余儀なくされている」と回答した。一方で、事業が伸びていると回答した企業も約4%存在する。

業種問わず70%超の企業で売上減少

業種を選ばず70%超が売上減少と回答した。

業種を選ばず70%超が売上減少と回答した。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

業種別の新型コロナウイルス感染症の影響。

業種別の新型コロナウイルス感染症の影響。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

売上面では、「大いに減少した」、「少し減少した」と回答する企業は製造業71%、サービス業76%、小売業74%、情報通信業70%となり、業種を選ばず70%超が売上減少と回答した。

一方で、営業活動など顧客との接点をオンライン化した企業は半数を超え、事業形態を変革する企業も出ている。

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出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

コロナ禍の影響、40%超が「6カ月〜1年」想定

多くの企業が半年以上、あるいは1 年〜3年の中長期にわたる「ウィズ・コロナ」という時代を想定している。

多くの企業が半年以上、あるいは1 年〜3年の中長期にわたる「ウィズ・コロナ」という時代を想定している。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

コロナ禍の主要事業への影響については「6カ月〜1年程度続く」と回答する企業が42%と最多。「1〜3年程度続く」と回答した企業が28%だった。

多くの企業が半年以上、あるいは1 年〜3年の中長期にわたる「ウィズ・コロナ」時代を想定しているようだ。

テレワークが進むも「ストレス増加」は約60%

80%以上の企業が従業員の一部または全員にテレワークを採用していると回答したが…。

80%以上の企業が従業員の一部または全員にテレワークを採用していると回答したが…。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

多くの企業は雇用の維持に務め、80%以上の企業が従業員の一部または全員にテレワークを採用している。

新型コロナウイルスによる働き方が従業員の心理に与えている影響は…。

新型コロナウイルスによる働き方が従業員の心理に与えている影響は…。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

一方で、「仕事上のストレスが増えた」と約60%の企業が回答。現場でのミスやトラブルが増加したと回答する企業は1割程度に留まったが、「業務上のミスはあまり生じてはいないものの、従業員間のコミュニケーションとメンタルケアが喫緊の問題となっていると示唆できる」と調査は指摘する。

オンラインツールの活用は6割

オンラインツールを活用している企業の割合は、全体の6割弱だった。

オンラインツールを活用している企業の割合は、全体の6割弱だった。

出典:新型コロナウィルス感染症への組織対応に関する緊急調査 : 第一報

従業員間のコミュニケーションを円滑に行う手段として、Zoomなどのオンラインツール群を利用しているのは全体の約6割程度だった。

「毎日頻繁に使用しており、朝会やオンラインランチなどに参加し、社員同士で近況報告を共有している」と回答した企業は22.3%。「使用していない」と答えた企業は18.8%だった。

「正解」が見つからない中での組織運営、課題は?

調査結果の概要は、

  • 事業縮小・売り上げ減少は産業界全体の約7割、業種を問わず全般的なものである
  • 多くの企業が影響は半年以上長期化すると見積もっている
  • テレワークは202年の第1四半期にかけ広範に普及した。推進施策も急速に整備されている
  • 雇用・雇用条件は最大限維持されようとしている
  • 従業員コミュニケーションとメンタルケアが問題となりつつある

の5点にまとめられる。

調査結果では、「正解はすぐには見つからない中で、新しい事業体制を模索する試みが、新型コロナウィルス感染症の状況をにらみながら少しずつ開始されていく必要がある」「中・長期的目線からは、トップの判断能力、ミドルの変革能力、現場の適応能力を高め、今後さらに起こりうる環境変化への適応の力を養っていく必要がある」と、全職層でコロナ時代への心づもりと準備の必要性を指摘している。

その上で「これまでの経済・経営のシステムが効率性を軸としたものであるとするならば、効率性と、適応力(あるいは柔軟性)の、2つの観点を兼ね備えた社会経済システムを構築していくことが求められる」と提言した。

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