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「まるでテーマパーク」「毎日3密」GWに休業相次ぐホームセンターで、今起きていること

ホームセンターの従業員から悲鳴が上がっている。

外出自粛の長期化でDIY・園芸用品の需要が高まっていることに加え、休業要請やスーパーのような入店制限要請の対象外ということもあり、「テーマパーク」のような混雑で、「『風呂入ってきてるのか?』と聞かれるなど、カスハラ(カスターマハラスメント=消費者、顧客によるハラスメント)も横行」しているという。

ゴールデンウイーク(GW)を見据え、客に「来ないでください宣言」をして休業する企業も出るほどだが、一方で営業する店舗の従業員は、その分の客が押し寄せることに怯えていた。

#ホームセンター従業員の叫び

ホームセンター

「客の安全を守るため」GWに休業するホームセンターが相次いでいる。従業員から悲痛な声が上がる、その現状は(写真はイメージです)。

shutterstock / Fascinadora

小売やサービス業で働く人の労働組合「UAゼンセン」には、ホームセンター従業員から以下のような声が寄せられているという。

「日に日に来店客数が増え、毎日がセール状態で密集状態です」

「外出自粛の影響で行く所がないからか、暇つぶしの来店も。実際にDIY・園芸用品関連・遊具などはかなり売れています

「ニュースでは食品スーパーばかりが取り上げられているが、ホームセンター関連も3密状態とカスハラが横行しているのに、ほとんど扱われていない気がする。入場制限なども含め、ぜひ行政に要請して頂きたい」

『国が営業を認めている所に行って何が悪い』とばかりに、自粛してくれません。あるホームセンター企業が週末の休業を決めましたが、これも社会を守る勇気ある自粛です。ただ一つが休業すると、他の店へと人が流れて来て、更に密集しますもっと強く国が発信しないとコロナは終息しません」

中には、客から「出勤前に風呂入ってきてるのか?」と言われた人もいるそうだ。

Twitterには「#ホームセンター従業員の叫び」というハッシュタグもできており、「テーマパーク化してます」「従業員は無責任な客のせいでリスクに晒されてるの。今ガーデニングやDIYやらないと死んじゃうの?」など、混雑具合や忙しさ、感染に怯える様子が多数投稿されている。

客増加で休業、入場制限では危険防げない

LIXILビバ

出典:LIXILビバのHP

こうした状況を受け、さらなる来客が見込まれるGWに休業する企業が相次いでいる。LIXILビバは「来ないでください宣言」と称して、 5月2日から6日までの期間、全店舗で休業する。同社は営業時間を約25%短縮したにもかかわらず、多くの店舗で客数が約40%増加したという。GWは入場を制限しても危険な状態の解消が難しいと判断したそうだ。

ハンズマンも4月29日から5月6日は全店舗を休業に、ロイヤルホームセンターは5月の日曜日は休業、コメリは営業時間を短縮するなどの対応を発表している。

補償なく、企業と消費者に委ねられた安全

STAY HOME

東京都によるSTAY HOME週間の呼びかけ。

出典:東京都STAY HOME週間のポータルサイト

ホームセンターの休業要請に関しては、東京都が休業を要請する方針案を策定するも、政府は新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針でホームセンターを「国民の安定的な生活の確保」に不可欠なサービスを提供する関係事業者とし、都に見直しを求めた経緯がある。

UAゼンセン(生活関連産業の労働組合)の担当者は言う。

「ホームセンターは自粛要請対象ではないという判断を受けて営業を継続する中で、DIYやガーデニングといった商品は巣ごもり需要で客を集め、『密集』や接客による『密接』を生み出してしまいました。 生活必需品を購入するために来店する客がいる一方で、趣味やレジャー感覚で来店する客も多い。

政治が感染防止対策と補償を明示できないため、企業が進んで休業を宣言して、客と従業員の安全を守っているのが現状です」

UAゼンセンは4月3日、緊急事態宣言に先駆け、小池百合子東京都知事に対し、食料品店やドラッグストアに入店制限従業員の感染防止のためのガイドラインの策定と事業者への指導を行うよう求める要望書を提出した。

現在、政府は都道府県に対し、スーパーの混雑時には入店制限をするよう求めており、東京都は4月25日から5月6日までを「STAY HOME週間」と名付け、買い物の回数を3日に1度程度にするよう、また買いだめしないよう都民に呼びかけている。

「ホームセンターに対しても、こうした取り組みが必要です。感染防止のため大幅に営業を制限すれば、雇用含め経済活動に影響が出る。このジレンマを行政主導で解消できないうちは、消費者の皆さんに実情を理解してもらい、秩序ある行動をお願いするしかありません」(UAゼンセン担当者)

(文・竹下郁子

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