撮影:伊藤有
自宅にこもってすごす長期連休は、家の整理、「積ん読」していた読書にもってこい。「ながら読書」には、日本でも流通しはじめたAudible(オーディブル、書籍の音声読み上げデータ)を使う方法もあるけれど、わざわざ音声データを購入するのはまだ思い切れない…という人は多いはず。
今回は、iOSの読み上げ機能とKindle本を組み合わせてオーディオブック化すると、めちゃくちゃよかったという話。iPhoneやiPadを「Kindle本朗読マシン」にする方法だ。
用意するのはiPad(iPhone)、Kindleアプリ、適当な書籍だけ
文字の本なら、ほぼ何を選んでもOK(テキストデータの書籍に限る)。
撮影:伊藤有
用意するのは
- iOS端末(iPhoneやiPad)
- Kindleアプリ
- 適当な文字の書籍
の3つだけ。iPhoneなどで普段からKindleアプリを使っている人なら追加投資は不要だ。
音声読み上げはiOSの標準機能「アクセシビリティ」機能を使う。
この機能とKindleの組み合わせが素晴らしいのは、「開いているページの文章」を読み上げるだけではなく、ページの最後まで読んだら、次ページ、次々ページというように、ずっと読み続けてくれるところ(画像が入ると止まるようだ)。読み上げはやや合成音声っぽさはあるが、そこまで大きな違和感は感じないレベルになっている。
※データの先読みの関係か、開いたばかりのページでは音声読み上げの次ページ送りがうまく動かない場合がある(=ページの最後に来ると読み上げが止まる)。少し待てば、ちゃんと動作するようになることが多かった。
さて、さっそく設定していこう。今回は、iPad Proを音声読み上げマシンに使ってみたが、iPhoneでも基本的な設定手順は同じだ。
Kindleを起動、好みの電子書籍を開く
iPad ProとMagic Keyboard。
撮影:伊藤有
いま読みたい適当な書籍をKindleで開く。今回は、人の行動変容を適切に促すのに何が有効なのかを考えたくて手に取った、行動経済学を解説した本『予想どおりに不合理』を例に。
「設定」を起動→アクセシビリティで設定を開始
いったんホーム画面に戻り、「設定」を起動。「アクセシビリティ」の項目から「読み上げコンテンツ」を選ぶ。
2カ所の設定を有効にする
「アクセシビリティ」のうち、「画面の読み上げ」と「読み上げコントローラ」を有効にする(上の画像はまだオフの状態)。読み上げコントローラがオンになると、画面上に矢印のようなボタンが出現。そこから、いつでも画面の内容を読み上げさせることができる。
Kindleに戻って、再生ボタンをタップするだけ
Kindleアプリで読みたい書籍を開き、読み上げたい箇所で「読み上げコントローラ」をタップ。再生ボタンを押すと、読み上げが始まる。
番外編:音声読み上げのちょっとしたテクニック
撮影:伊藤有
最後に、読み上げ機能を使うときのちょっと便利な使い方を2つ解説。
Q. 読み上げ速度が遅すぎる場合は?
読み上げ速度は「半分」〜「2倍速」まで4段階に変更できる。速読したいときは1.5倍速などで読み上げさせることもできる。
Q. 画面と違うページを読み上げてしまう場合
読み上げ箇所を先読みする関係か、ページを飛ばすと、うまく表示中の画面を読み上げられない場合がある。
そんなときは、「読み上げコントローラ」の「指」マークを押し、画面上の読み上げたい箇所をタップして、再度再生してみよう。指定した場所から再生が始まるはず。
スマホやテレビ、PCで何かを見ながら…という「ながら作業」に慣れきった現代人は、意外と1つの画面を集中して、長時間見ることができなくなっている(僕もそうだ)。
こういうときに、一定の時間は集中して読んで、ほかのときは別の単純作業をしながら、あるいは入浴中に「音で聞く」といったことができるのは、控えめに言って神機能。
以前から知っていた機能ではあるけれど、改めて使うとめちゃくちゃ便利だった。
Kindleに積み上がった「積ん読」を消費したい人に、ぜひ使ってみてほしい。
(文・伊藤有)