東京都の出口戦略は示さず、小池都知事「引き続きステイホームを」

小池都知事

5月8日、定例記者会見で話す小池百合子都知事。

東京都

東京都の小池百合子都知事は5月8日の定例記者会見で、緊急事態措置に伴う休業要請などを解除する、具体的な基準について語ることはなかった。解除するための出口戦略の発表が期待されていたものの、小池都知事は「出口出口というと(こういった課題が)もうすべてクリアされたような雰囲気が漂ってしまう」と、楽観的なムードに釘を刺した。

「出口戦略」発言での気の緩みに懸念

5月4日、政府は緊急事態宣言を5月31日まで延長することを発表。

同時に、特に感染者の多い特定警戒都道府県以外、新規の感染者が限定的で地域の医療体制にも問題のないような地域では、段階的に制限を緩和することも容認していた。

すでに感染者の少ない地域では、GW明けから休業要請を緩和しはじめている。

特定警戒都道府県に指定されている大阪府でも独自に「大阪モデル」を提唱。

次の3点を7日間連続で達成することを、自粛要請の解除ための大阪府独自の基準と発表していた。

・新規感染者のうち感染経路の追えない人数が10人未満であること

・陽性率が7%未満」

・重症病床の使用率が60%未満

東京都で確認された新規の感染者は、5月6日には38人、5月7日には23人と、ここのところ減少傾向にある。

また、当初予定されていた緊急事態宣言の期間(4月7日〜5月6日)が過ぎ、一部の地域では休業要請が緩和されはじめたことから、この感染症の広がりに「終わり」が見え始めてきたのではないかという緩やかな雰囲気も漂っていた。

小池都知事は、出口戦略について語られはじめた現状についてこう言及。

「ステイホーム週間のあと、いきなり出口戦略について話題が出てきています。一方で、ワクチンであったり薬であったり、これが最高に効くといったものは出てきていない。感染者はまだ東京で引き続き出ています。その中で、出口出口というと(こういった課題が)もうすべてクリアされたような雰囲気が漂ってしまう」

感染者が減少傾向にあるとはいえ、課題が解決されていない中、具体的な出口戦略を提示することで楽観的なムードが出てしまうことに対して懸念を示した。

小池都知事がはじめて「ロックダウン」という言葉を使って感染の広がりを警戒した3月23日。確認された感染者の数は41人だった。4月中旬以降、連日100人を超える感染者が確認されていたことから、感覚が麻痺しているのかもしれないが、感染者の数値だけを見るとまだまだ警戒感を緩めて良い状況ではなさそうだ。

一方で、東京都では現在、今後の感染状況の変化(フェーズの変化)を想定したロードマップの策定を進めている。ロードマップを公開する具体的な日程については提示されなかったものの、

「それ(ロードマップ)によって、どこまできたのか。あとどれくらい頑張れば良いのか、ということがみなさんに分かるような工夫をしていきたいと思います」(小池都知事)

とした。

「まだまだこれで終わったわけではなく、(緊急事態宣言が)5月31日まで伸びているというご認識をしていただきたく存じます」(小池都知事)

というように、確かに東京都で確認される感染者はまだ多い。

引き続き対策を続けていく必要性も十分に分かる。

一方で、休業要請が長引くほど、堪えられない事業者が出てくることは間違いない。たとえ出口戦略とは言えなくとも、先行きの見通しを早めに示すことが望まれる。

なお、東京都が公開している検査データについて、現状では都が抱える健康安全研究センターで行っているPCR検査のデータは即日公開されているものの、保険適用されている民間企業などで実施されたPCR検査のデータは毎週金曜日に更新されている(陽性者の数は即日共有されている)。

小池都知事は、「これから、そういったデータをデイリーに出せるようにご協力をお願いしていく」と、情報開示の体制についても、順次改善していく姿勢を示した。

(文・三ツ村崇志

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