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誰かから指示された「やらされ仕事」より、「裁量ある仕事」のほうがやる気は出るもの。しかもそれで結果を出せれば成長につながり、何より楽しい。では、裁量ある仕事を任されるためには何が必要でしょうか? 答えは「自分で考え、生産性高く成果を出すスキル」です。
このスキルを「自律思考」と呼ぶのは、リクルートグループに29年間勤務し、独立後はさまざまな企業に対して業績向上支援を行っている中尾隆一郎さん。連載「『自律思考』を鍛える」では、生産性高く成果を出すスキルを身につけるためのエッセンスを中尾さんに解説していただきます。
前回は、「制約条件」を見つけ、それを強化することで組織の成果を高められるというロジックをお話ししてきました。そこで今回は、制約条件理論を活用して具体的に仕事のレベルを向上させる方法をご紹介いただきます。
さまざまな場面で活用できる制約条件理論
前回は、エリヤフ・ゴールドラット教授が著書『ザ・ゴール』で示した「制約条件理論」の基本的な考え方についてご紹介しました。その記事の中で私は、制約条件理論を意識することで業務の生産性が高まったこと、以来さまざまな場面で制約条件理論を活用していることをお話ししました。
なぜ制約条件理論がさまざまな場面で活躍するのでしょうか? それは、制約条件理論が「部分最適」ではなく「全体最適」で仕事をする方法を教えてくれるからです。