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- テック大手のアップル、グーグル、フェイスブック、マイクロソフト、アマゾンは、今年中に従業員がどのようにオフィスに復帰するかについての計画を発表した。
- グーグル、フェイスブック、マイクロソフトは今年の夏に暫定的にオフィスを再開する予定であるが、ほとんどの従業員が秋までは在宅勤務を続けられるようにする予定だ。
- ツイッターは最も大胆な姿勢をとっており、従業員に対して恒久的にリモートワークが可能だと伝えている。
- オフィスでの業務再開は、マスク着用、赤外線カメラによる体温計測、手の消毒などの安全対策に依存する。
アメリカの多くの州が自宅待機命令を解除する準備をしている中、テック業界の大手企業の中には、オフィスの再開時期を明確にするところも出てきている。
この1週間で、アップル(Apple)、グーグル(Google)、フェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)などの企業は、従業員に復帰すべき時期を伝え始めた。
テック大手のいくつかは、自宅待機命令が解除されれば、今年の夏にオフィスを再開する計画を立てているが、希望する従業員には、さらに長く自宅で仕事を続けることを認めている。ツイッターに至っては、従業員に「希望すれば永久に在宅勤務を続けることができる」とまで言い切った。
オフィスを再稼働する企業は、従業員間でのCOVID-19の発生を食い止めるために前例のない課題に直面することになる。アマゾンなどのいくつかの企業は、体温で従業員をスクリーニングできるサーモグラフィーカメラなどのハイテクな解決策を導入しようとしている。専門家によると、オフィスは従業員の密度を減らすために、飛沫をガードするシールド、一方通行の通路、時差出勤などが必要になるかもしれないという。
ここでは、テック大手がオフィス再稼働をどのように計画しているかを紹介しよう。
アマゾン:在宅勤務が可能な従業員は、少なくとも10月2日までは在宅勤務を続けることができる
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アマゾン(Amazon)で最も注目されているのは、アメリカ人が必要不可欠なサービスとして利用して需要が急増している同社の倉庫従業員だ。アマゾンには2019年12月の時点ですでに全世界で79万8000人以上の倉庫従業員がいたが、2020年4月に17万5000人の倉庫従業員を新たに雇用した。
倉庫は稼働し続けているが、アマゾンのホワイトカラーの従業員は3月から自宅で仕事をしている。アマゾンによれば、彼らは少なくとも10月までは在宅勤務を続けることができる。
同社はオフィスが再開される日程を明らかにしていないが、ロイター通信に対して、物理的な距離をとる、念入りな消毒、体温チェック、フェイスマスクや手の消毒剤の利用、などを実施する予定だと述べている。
マイクロソフト:この会社も10月まで在宅勤務を続ける選択肢があると従業員に伝えた
Stephen Brashear
マイクロソフト社は自宅待機命令に基づいて、3月から閉鎖されている。同社の広報担当者は、従業員に対してこれらの命令が解除されても在宅勤務を続ける選択肢があることを通知したと、Business Insiderに語った。
マイクロソフトの本社があるワシントン州での自宅待機命令は、早ければ5月31日に解除される。マイクロソフトは、その後すぐに従業員がオフィスに戻るのかどうかについては明らかにしていない。
フェイスブック:7月にオフィスを再開するが、年内は在宅勤務を続けることができると従業員に伝えている
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フェイスブックは、7月6日にオフィスを再稼働するが、ほとんどの従業員が年内はリモートワークを許可されると従業員に伝えた。
CEOのマーク・ザッカーバーグは4月に、その選択肢を持たない他の企業は通常通りのビジネスに戻るかもしれないが、フェイスブックの従業員は密度を減らすために在宅勤務を続けることが奨励されると述べた。
「ほとんどの人々が当社の多くの従業員ができるほど簡単には在宅勤務ができない。また、通常の生活に戻すことは、職場の人々が安全に仕事ができるように、そして将来の流行の可能性を最小限に抑えるために、ゆっくりと段階を踏んで行われなければならない」とザッカーバーグは述べた。
グーグル:従業員に対して、年内は在宅勤務を継続する予定であることを伝えたが、一部の従業員は6月にはオフィスに戻ることになる。
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グーグルのサンダー・ピチャイCEOは全社員が参加するミーティングで、ほとんどの従業員が2020年の残りの期間はリモートで仕事を続けることになると語った。
ただし、一部の従業員は早ければ6月にはオフィスに戻るだろう、とピチャイCEOは述べた。グーグルは4月に、オフィスへの復帰に向けて「時差をつけた」アプローチを計画していると述べていた。
アップル:オフィスの再開時期は明らかにしていないが、リモートワークに適応するための新たな方針を打ち出している
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アップルは2020年3月に中国以外のオフィスと全店舗を一時的に閉鎖したが、5月に入って、韓国、オーストリア、オーストラリアのアップルストアの営業を再開した。再開した店舗では、手指消毒剤を配布したり、非接触式の体温計で体温を測ったり、店員にマスクの着用を義務付けたりするなどの感染予防策を講じている。
アップルは、ホワイトカラーの労働者がアメリカ国内のオフィスにいつ戻るかは明らかにしていない。しかし、在宅勤務を柔軟に取り入れられるように新しい管理プロトコルを導入したとCNETに語った。
アップルの広報担当者に、オフィス再開の計画についてのコメントを求めたが、回答は得られなかった。
ツイッター:従業員は永久にリモートワークを続けられる
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ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、在宅勤務をいつまでも続けることができると従業員に伝えたと報じられている。また、ツイッターのオフィスが再稼働するのは早くても9月だと述べたという。ツイッターは3月、在宅勤務を行うよう従業員に指示した。これは、サーバー管理者のようにオフィスにいることを義務付けられている従業員には適用されない。
ドーシーCEOはCOVID-19の発生前にも、本社があるサンフランシスコの以外に住むリモート従業員を増やす、「分散型労働力」を奨励する計画を表明していた。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)